事業主なら知っておきたい!個人情報の取扱い方法

そもそも個人情報とは

個人情報とは、個人に対する情報のことで生存している個人であること、特定の個人を識別することができる情報です。
会社の住所や取引内容といった法人情報は、個人情報ではありません。
個人情報は、「氏名、生年月日により」「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することとなるものを含む」としています。
例えば、メールアドレスだけは個人情報としては扱われません。ただし、そのメールアドレスに名前が入っていたり、メールアドレスと一緒に会社名と名前が一緒に記載してある場合は個人情報になります。つまり、情報単体ではなく誰かを特定できる情報が個人情報となります。

5,000人以上の個人情報を保有している場合

一企業が個人情報を5,000人以上所有している場合は、個人情報取扱事業者となり、個人情報保護法という法律の規制対処になります。
例えばエステ店をチェーン展開している場合、1店舗あたり個人情報の数が5,000人以下でもあっても、そのエステ店チェーンを運営している会社や企業が1つであれば、その会社または企業が持っている個人情報となりますので個人情報保護法の対象です。注意しましょう。

5,000人の個人情報の定義とは

ではそもそも5,000人以上の個人情報を所有している場合の定義とはどのような場合でしょうか。それは、個人情報を体系的に管理または整理されている状態であれば個人情報を保有している。となります。
体系的とは、その会社や企業が持つデータベースやプラットフォーム上に保存され管理されていることです。
逆に個人情報として5,000人にカウントされない場合は「個人情報数の合計が過去六月以内のいずれの日においても五千を超えない者とする。」と定めれている通り、6ヶ月以内に削除するデータは「一過性の利用」のため個人情報保護の対象にはなりません。

個人情報保護法の規制対象になると、その管理方法や目的などについて国から様々な義務が課せられます。
事業を始めて軌道にのってきたなどして5,000人に到達しそうな場合は
その義務をスムーズに行うために事前に知っておいた方がよいでしょう。

ネズミ講、マルチ商法、ネットワークビジネスの違いとは?

ネズミ講、マルチ商法、ネットワークビジネスの仕組みと法律について

【ネズミ講】とは?

ネズミ講と呼ばれる所以になったねずみは「ある期間に、ネズミがどれだけ増えるか」ということを計算するねずみ算から来ています。
ネズミ講は造語で、法律的には無限連鎖講のことを指しています。

無限連鎖講とは、金品を払う参加者が無限に増加するという前提において、二人以上の倍率で増加する下位会員から徴収した金品を、上位会員に分配することで、その上位会員が自らが払った金品を上回る配当を受けることを目的とした団体のことである。
引用元Wikipedia

説明の通り、特定の商品を販売しているわけではなく会員を集めて金銭のやりとりをする行為です。
ですので、化粧品やサプリメントといった会社や商品だけではありません。
他との違いは特定の商品や商材をもたないことです。

無限連鎖講は特定商取引法で禁止されています。

※無限連鎖講の防止に関する法律

第5条:無限連鎖を開設し、または運営したものは3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する。
第6条:業として無限連鎖講に加入する事を勧誘した者は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処す。
第7条:無限連鎖講に加入する事を勧誘したものは、20万円以下の罰金に処す。

いわゆるネズミ講は、違法となります。

【マルチ商法】

Multi-Level Marketing (マルチ・レベル・マーケティング)という商形態のことです。1970年代にアメリカから日本にこの手法が上陸しマルチ商法という名称で広まりました。マルチ商法の商形態は特定商取引法において連鎖販売取引に分類されており、ネズミ講のように法律で禁止されてはいません。ただ、組織の拡大方法で類似点が多いことからネズミ講と一緒にされてしまう傾向もあります。ただし、大きく違う点は特定の商品を持っていることです。

特定商取引法における連鎖販売取引とは、

  • 物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
  • 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
  • 特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
  • 特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの

としています。

よって、化粧品やサプリメント以外の業態でも代理店や問屋としてこのような商形態をとっていることが多いのも事実です。

【ネットワークビジネス】とは?

ネットワークビジネスは、上記2つとは別のものだと勘違いされやすいですが、日本で「ネットワークビジネス」と呼ばれているだけで、上記マルチ商法であるMulti-Level Marketing (マルチ・レベル・マーケティング)のことを指しています。

つまり、ネットワークビジネス=マルチレベルマーケティング(MLM)は、マルチ商法と同じ販売形態のことを指しており、日本ではマルチ商法と同じ連鎖販売取引として分類されており違法ではありません。

ネズミ講は法律上禁止されていますが、他は合法でありいわゆる商形態のことを指しているわけですが、日本においてはこれらが悪として捉えられているようです。
それは、化粧品やサプリメントの会社などが比較的誰でも販売できるとして広まった際に、勧誘や悪質な業者が多発し、イメージが崩れてしまっているようにも思います。

マルチ商法やネットワークビジネスは合法とはいえ、連鎖販売取引の規制を守ることが必要とされています。
これらの商形態を取り入れたいという場合は、一度専門家に相談してみるのもいいのではないでしょうか。

美容業における、資格と法律・営業可能範囲について

まつげエクステは美容師免許が必要

美容に携わる者であれば広く認知されたことではなりますが、今一度おさらいしてみたいと思います。
これまで何度も厚生労働省はまつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について通達しています。
美容師法第2条第1項の規定においても、「いわゆるまつ毛エクステンションについては、まつ毛に係る施術を美容行為 と位置付けた上で適正な実施の確保を図ることとしていること」と定めている通り、いわゆるエクステンションの提供は美容師法にいう美容に該当するとされていることから、美容師免許がないと提供してはいけません。ただ、美容師免許があるからと言って開業できるわけではなく、美容師免許が必要になった背景として、まつ毛エクステには消費者トラブルが後を絶たないことを頭に入れた上、サービスの提供にはそれなりの知識が必要になります。
美容師法に抵触した場合の罰則は、美容師法違反で50万以下の罰金に処せられることもありますので徹底しておきたいところです。

アートメイクは医療行為

「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」いわゆるアートメイクは、医師免許を持たないものが行った場合、医師法第17条に違反になります。
これまで日本では、アートメイクと同じ行為である「刺青」が流行ったことから、無資格のものが提供しはじめよってアートメイクも資格がいらないものだと認識されてしまいがちでした。
ですが、アートメイクは

針で皮膚を刺すことにより、皮膚組織に損傷を与えて出血させるだけでなく医学的知識が十分でない者がする場合には、化膿菌、ウイルス等に感染して肝炎等の疾病に罹患する危険がある。

と、有識者の見解で述べられているように、十分な知識を持った医師でなければ行為を行ってはならないと定めています。
医師法に違反すると、罰則としては3年以下の懲役若しくは百万円以下になります。

歯のホワイトニングは歯科医師免許?

これまで歯のホワイトニング行為は、歯科医院で主に提供されてきた医療行為でしたが、類似のサービスとしてエステ分野でも提供されるようになってきました。これについては賛否両論の意見が騒がれる中で、実際のサービス内容には明確な差があるようです。

例として、2013年11月13日に東京・市ヶ谷の歯科医師会館大会議室で開催された都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会においては、以下のような意見が出されています。

「誰が施術する場合でも、認められるのは使用するホワイトニング剤が医薬部外品で、照射ライトが医療機器ではないことが前提。医薬品や医療機器を使用するのであれば無資格者が行うことはできず、医師法・歯科医師法だけでなく薬事法違反にも問われることになる。」

口の中に触れる行為や、ブラッシング指導、ホワイトニング指導といった行為は全て医療行為にあたり、国家資格を持つ歯科医師・歯科衛生士でないとできません。ですが、逆をかえせばそれらの医療行為をせずに治療までもしない、エステ分野におけるホワイトニングのようなサービスは、使用する成分や提供するものの介入する範囲や内容に明確な差があるようです。

無資格での営業は誰でも分かる通り、法律違反です。透明な営業を心がけるよう気をつけましょう。

閉店や事業譲渡の際に知っておきたい個人情報の取扱い方法

閉店する場合と事業譲渡では処理方法が異なる

閉店の場合はシンプル

これまで保有していた個人情報は適切に破棄する必要があります。適切に破棄とはどういうことかと言うと、シュレッダーで抹消するなどです。また、個人情報を破棄してくれる専門会社もありますのでそういった所に依頼するのも確実な方法です。

事業譲渡する場合は少し複雑

事業を譲渡先の新しい運営会社から、個人情報を引き継ぎたいとの申し入れがあった場合そのまま受け渡してはいけません。
すべきこととしては譲渡前にすべての顧客または会員から個人情報を新しい会社へ譲渡してもよいかの許可を得る必要があります。
許可を得る方法は様々ですので専門家へ相談するのがよいでしょう。

また、新しい運営会社が個人情報を引き継がない旨の申し入れがあった場合は、先に述べた閉店の際の処理と同様になります。

個人情報にまつわるトラブル

個人情報まつわるトラブルで多いのは、債務が残っている状態の顧客への返金対応と従業員が個人情報を抜き出してしまうことです。

債務が残った状態で閉店する場合は顧客に知らせた上で返金対応をせねばなりません。
但し、多くの場合は閉店になる場合、事業が上手くいかない場合だと思いますので、そういった場合は返金自体もできなくなる可能性もあると思います。
事業主がかかえている債務処理は、顧客への返金だけではないと思いますので、その際は専門家へ相談して優先順位や返金対応の時期など相談するのがよいでしょう。

従業員が辞める際、または閉店後に個人情報を抜き出していたことが分かった場合は厄介です。
個人情報というのは個人情報保護法からの観点では「目的外使用」はできません。企業と顧客との間で成立する個人情報が、別のところで使用されてしまった場合は元の会社が責任を問われることになります。

そのような流出を防ぐためにも個人情報データベースにパスワードをかける・アクセスできる社員を限定しておく・個人情報に触れる際の履歴を残しておくなど透明かつ確実な管理をしておくべきとも言えます。
その会社の体制によって管理方法などは模索できると思いますので、多くの企業を見ている専門家に相談するのもいいでしょう。

先払いチケットの消化期間の設定方法と消化期間を過ぎた場合の返金対応とは?

消化契約期間には法的定めはなし

まずコースや回数券などを設定する際、一緒に設定するのは消化期間です。
例えば3回コース・5回コースと設定する際、その回数を消化できるのは◯◯月までとか◯年以内などと設定するはずですが、ここで気になるのがその消化期間をどう設定すべきかではないでしょうか。実は期間の設定については明確な法的定めは特にありません。

ですので、コースの提供は事業主と客との間で交わされる契約の問題になります。ただし、そもそもその消化期間におおよそありえない期間を設けている場合は、民法1条2項に定められている「信義誠実の原則」略して信義則に抵触する可能性もあります。

消化期間の設定は、誰がどう判断しても合理的な範囲で設定していれば問題はありません。ですが、客をだますような期間で設定していたり、物理的に消化できない期間を設定してしまうなどすると顧客とのトラブルにもなりかねない上に、裁判になった場合、様々な法律に抵触し罰則も出てきてしまいます。
気をつけましょう。

消化期間を過ぎてから返金を求められた場合

消化期間を客と契約を開始したけれど、客側が店に来ずにそのまま消化期間を過ぎてしまった時に多いのが返金トラブルです。
客側としては回数を消化していないので、返金してほしい心理が働くのは当然です。ですが、事業主としては実は契約を交わした後は、消化期間を過ぎてからの返金対応はしなくてもよいのです。
但し、消化期間を定めていなく回数券を販売した場合に返金を求めれた場合は、厳密に言うと何年経っても要望があれば返金対応はする必要があります。また、この場合は返金というより中途解約またはクーリングオフとなりますので客側に大きく権利があります。

まとめ

チケットの消化期間やお金にまつわることは、ちょっとした認識の違いで大きなトラブルになりかねませんから、まずは客とコンセンサスをとり書面に落とすなどすることが必要です。
合理的な期間とはどのような期間なのか、書面にどう記載すべきなのかは専門家に相談などするなどして事前に対処するのがおすすめです。

事業主なら知っておきたい労災について。雇用保険とその法律とは?

雇用保険とは

ポイント①

業種、規模等を問わず、すべて適用事業となり強制加入が必要です。
雇用保険の適用事業に雇用される労働者は、原則としてその意志にかかわらず当然に被保険者となります。ただし、65歳に達した日以後に雇用される方、4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される方などは、雇用保険の適用除外となるなど、雇用形態等により被保険者とならない場合もありますので確認が必要です。

ポイント②

1人でも正社員として雇用していれば、雇用保険加入手続きが必要となります。個人の場合は、国民年金保険がその役割をしています。

ポイント③

パートタイムやアルバイトも一定の条件を満たせば加入対象になります。加入対象は、31日以上の雇用見込みがあることまたは1週間の所定労働時間が20時間以上であることです。

ポイント④

雇用保険法に基づき、適用基準を満たす労働者については事業主や労働者の意思に関係なく、被保険者となった旨を公共職業安定所(ハローワーク)に届け出なくてはなりません。

雇用保険の加入手続き方法

事業を開始したときに、「労働保険保険関係成立届」「雇用保険適用事業所設置届」「労働保険概算保険料申告書」を事業所の管轄する労働基準監督署、公共職業安定所へ提出することが必要です。尚、従業員を初めて雇い入れることとなった場合は、保険関係成立に関する手続を済ませた後、事業所を管轄するハローワークに「事業所設置届」、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければならないことになっています。

その後新たに従業員を雇い入れた場合は、その都度事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。
この届出によってハローワークから交付された「雇用保険被保険者証」については事業主から本人に渡す必要があります。
用意する書類等については、専門家へ相談するのがいいでしょう。

事業主なら知っておきたい、社会保険の適用ルールとは

社会保険料とは

社会保険料とは以下5つ保険を包括した総称です。

  • 健康保険:病気やケガによる通院・入院・長期休業、出産、育児休業
  • 介護保険:介護ケア ※40歳〜64歳までの方対象
  • 年金保険:遺族の生活保障、障害状態の生活保障、老後の生活保障
  • 雇用保険:失業時の生活保障、スキルアップ
  • 労災保険:業務にかかわる病気やケガ

これらは国で強制的に加入することが義務づけれている保障制度であり、病気などの理由で仕事ができない状態になった時でも最低限の生活ができるように個人が国に保障されている保険料です。

事業主はこれらすべての保険料を従業員の給与から計算し、従業員の代理で支払うことになります。また、労災保険については会社が全額負担になっており会社にかかる負担は大きいと言えます。

社会保険の適用ルールとは

社会保険は、会社に所属していない個人でも支払っています。個人、または個人事業主の場合は、自分で国民健康保険と国民年金に加入することになっています。加入しないと例えば医療費の3割負担がなくなり全額負担になります。ということは、本来自分で加入することができる保障制度、事業主側はどのような場合に社会保険に切り替えなければならないのでしょうか。
健康保険法 第3条 および 厚生年金保険法 第6条では、強制加入の事業所とはどのような場合かを明示しています。

【強制加入の事業所とは下記の事業所をいいます。】

1.個人事業所の場合

次の事業を行い常時5人以上の従業員を使用する事業所:
a製造業 b土木建築業 c鉱業 d電気ガス事業 e運送業 f清掃業 g物品販売業 h金融保険業 i保管賃貸業 j媒介周旋業 k集金案内広告業 l教育研究調査業 m医療保健業 n通信報道業など
※原則サービス業以外の事業所は5人以上で強制加入です。
個人事業の場合、従業員数が何人いようと上記の事業以外の飲食店や美容業等のサービス業は強制加入となりません。

2.法人の事業所の場合

常時、従業員を使用する法人の事業所(国、地方公共団体を含む)
※法人の事業所では代表取締役や役員も加入の対象となります。
よって法人の事業所であれば規模を問わず全ての事業所において原則加入が義務となります。

現在個人事業主であっても、今後従業員を雇う場合や法人に切り替える時のために、社会保険制度についてはきちんと知っておく必要があります。

事業主なら知っておきたい解雇と労働法のこと

労働法とは

労働関係および労働者の地位の保護・向上を規整する法の総称です。ただし、労働問題に関する様々な法律をひとまとめにして労働法と呼んでいて、その中には、労働基準法や労働組合法をはじめ、男女雇用機会均等法、最低賃金法といった様々な法律が含まれています。
労働法設定の背景は、近代以降の資本主義の展開にともない、事業主と労働者との関係に自由平等を原則とするよう設定されました。そのため、雇用される従業員はこの法律に守られているといっても過言ではありません。そのため、事業主都合による勝手な解雇などもしにくいというのが現状なのです。

労働契約法16条

期間の定めの無い雇用契約(無期雇用)では、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合はその権利を濫用したものとして無効となる

労働契約法17条

期間の定めのある雇用契約(有期雇用)では、使用者はやむを得ない事由がある場合でなければ、その労働期間が満了するまでの間において労働者を解雇することができない

解雇とは

そもそも解雇とは、事業主の一方的な意思表示による労働契約の解除のことを指しています。 解除に当たり労働者の合意がないものです。

そのため、労働者の生活を断ち切ってしまうことにもなるので不意打ちのような形で行われることがないよう、各種の法制で規制が設けられています。
解雇をできる条件は、客観的・合理的理由が必要です。例えば、経営不振による解雇(整理解雇)、長期的な入院や病気、不良な勤務態度や勤務状況、労働能力の欠如、経歴詐称、などですが、解雇するに足る正当な理由があるか否かについては、先に述べたように客観的・合理的理由が必要です。
不当解雇を行った場合は、損害賠償責任が問われる可能性がありますので詳しいことについては専門家に相談するのが安心です。

解雇方法

労働契約法20条1項では、事業主が労働者を解雇しようとする場合は、労働者に少なくとも30日前に予告をしなければならないと定められています。
尚予告をする際は、解雇日について何年何月何日というように特定しておかなければなりません。ただし、30日以上前に解雇を予告できない場合には、30日に不足する日数分の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。

例:10日前に予告した場合は、20日分以上の平均賃金を支払う

解雇トラブルは後を絶ちません。労働契約法15条では、労働契約締結に際して労働者に対して解雇の事由を書面で明示しなければならない。と定めていますので、解雇になり得る事由を予め就業規則に定めておき、従業員とコンセンサス及び契約書を交わしておきましょう。

郵便法違反していませんか?知らないと怖いコンプライアンスの1つ

郵便法とは?

そもそも郵便法という法律があるのはご存知でしょうか?契約書は◯◯、請求書は◯◯と、郵送形式だけ覚えていてそもそもそれが郵便法という法律があるということは知らないという方も多いのではないでしょうか。

郵便法 第4条

2 会社(契約により会社から郵便の業務の一部の委託を受けた者を含む。)以外の者は、何人も、他人の信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。

3 運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。ただし、貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、この限りでない。

4 何人も、第2項の規定に違反して信書の送達を業とする者に信書の送達を委託し、又は前項に掲げる者に信書(同項ただし書に掲げるものを除く。)の送達を委託してはならない、

つまり、信書(「信書」とは、郵便法第4条第2項において「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」である)は日本郵便株式会社及び信書便事業者のみで配送をしなければならないということです。

怖い!郵便法の違反事例

過去におきた郵便法違反の事例を紹介します。

事例1:県職員が「信書」をヤマト運輸のメール便サービスを利用して送付

2009年6月、埼玉県の30代の女性職員が郵便法で郵便事業会社以外の扱いが原則禁じられた「信書」に該当する文書を、宅配便最大手のヤマト運輸(東京都中央区)のメール便サービスを利用して送っていたことが14日、県関係者などへの取材で分かった。
文書を受け取った男性が告発し、県警が郵便法違反容疑で捜査。県と女性職員、法人としてのヤマト運輸と男性従業員2人をそれぞれ3月16日付で書類送検した。

事例2:グッドウィルが「信書」をクロネコメール便で送付

グッドウィルがクロネコメール便を使用して、労働者約80万人に昨年7月以降、「日雇い派遣労働者から天引きしていたデータ装備費の返還を伝える文書」を送付し発覚。グッドウィルは総務省に対して信書であったことを認め再発防止案を提出し、行政処分を免れた。

事例3:給与支払い明細を民間運送会社に委託し、派遣社員に告発される

給与支払明細を民間運送会社に委託していた会社が、不況になって派遣切りが始まってから、その派遣らにより郵便法違反を告発され全国紙の新聞でコンプライアンス違反を問われる事態になった。その後その上場企業は倒産。

信書とは?

それでは、「信書」とはどのようなものでしょうか。
日本郵便のWebサイトで確認することができます。

【参考Webサイト:日本郵便Webサイト「信書に該当するものを教えてください」

信書に該当する書面を送る方法

日本郵便(郵便局)で定形郵便、定形外郵便、レターパック、EMS、または佐川急便の飛脚特定信書便をのみです。
従業員の1人でもこの法律を知らずに、便利だからといって郵送方法を間違えると会社全体に悪影響を及ぼすこともありますので社内で周知するなどして、気をつけたい法律ですね。

商品やサービスの秘密情報を漏洩から守りたい!不正競争防止法とは

不正競争防止法とは

先日プレゼンした新商品の企画内容が競合から先に出された。
自社製品の技術と全く同じもので他社から発売されている。

など、企業秘密にしておきたい場合、情報の漏洩や盗作は機会損失、そして信頼の低下など被害以外のなにものでもないですよね。
そのような不正競争の防止を目的として設けられた法律に、不正競争防止法という法律があります。

これは、競合となる相手を貶める風評を流したり、商品の形態を真似したり、技術を盗んで取得したり、虚偽表示を行ったりするなどの不正な行為や不法行為(民法第709条)が行われるようになると、市場の公正な競争が期待できなくなってしまうために制定された法律です。

また、粗悪品や模倣品などが堂々と出回るようになると消費者も商品を安心して購入することが出来なくなってしまうため、市場における競争が公正に行われるようにすることを目的としても制定されています。

不正競争防止法では主に以下4つの保護を対照とし、それぞれ禁止しています。

  • 1)営業秘密の保護・・・営業秘密や営業上のノウハウの盗用等の不正行為を禁止
  • 2)デッドコピーの禁止・・・他人の商品の形態(模様も含む)をデッドコピーした商品の取引禁止
  • 3)信用の保護・・・周知の他人の商品・営業表示と著しく類似する名称、デザイン、ロゴマーク等の使用を禁止、他人の著名表示を無断で利用することを禁止
  • 4)技術管理体制の保護・・・コピー・プロテクション迂回装置(技術的制限手段迂回装置)の提供等を禁止

不正競争防止法に違反すると

他人の営業上の秘密を侵した者へは、この法律に基づいて差し止め請求、損害賠償請求、信用回復措置請求などの民事的請求をすることができます。また10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金などの刑事罰もしっかりとある重い法律です。

秘密保持の手段

まず自ら自社商品やサービスを守る事を心がける必要があります。

その手段としては、

資料などには秘密情報であることを明示する

秘密情報が記載された資料や議事録には、「Confidential」や「社外秘」といった表示を記載して相手に渡しましょう。
これにより、相手方に秘密情報であることを認識させます。

口頭などで開示した秘密情報は直ちに書面化して交わす

例えば、覚え書きやNDAと呼ばれる秘密保持契約、守秘義務契約などで書面化しましょう。
契約を交わしたわけですから相手が秘密を漏洩したり、契約したことに違反した場合は相手に損害賠償請求、差止請求をすることが可能です。

ビジネスにおいては、法律があるから安心というわけではなく自ら秘密情報を守るということも必要です。書面化においては、大事な内容が記載されていないと意味がありませんから一度専門家に相談することをおすすめします。