新規販売やキャンペーンを行う時に気をつけたい「価格」設定

二重価格表示とは?

そもそも二重価格表示だと認識される場合は、その価格に比較対照価格がある場合です。
例えば、「通常価格10,000円、割引率50%OFF、販売価格5,000円」
この場合、通常価格と販売価格の2つの価格がありますね。
二重価格表示違反か否かは、その比較対照価格のルールが守れているか否かということにです。
 

尚、比較対照価格には
(1)過去の販売価格
(2)他店の販売価格
(3)メーカー希望小売価格
の3種類ありますので1つ1つ紹介します。
 

(1)過去の販売価格

「通常価格」や「セール前価格」などと表示されているものは、次の場合に表示可能となります。
 

    • セール開始時点から過去8週間のうち、4週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます。
    • 販売開始から8週間未満のときは、販売期間の過半かつ2週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます。

 

上記(1)や(2)を満たす場合であっても、実際に販売した最後の日から2週間以上経過している場合には、過去の販売価格として表示することは原則としてできません。
販売期間が2週間未満のときは、過去の販売価格として表示することは原則としてできません。
 

(2)他店の販売価格

これは、「市価」や「他店販売価格」などとして表示される価格です。以下の場合に表示することができます。
 

      • 市価を比較対照価格に用いるときは、地域内の事業者の相当数が実際に販売している価格を用いる必要があります。
      • 特定の競争事業者の販売価格と比較する場合は、その事業者の実際の販売価格及び事業者の名称を明示する必要があります。

 

(3)メーカー希望小売価格

「メーカー小売価格」などと表示されているものは、次の場合表示可能です。
 

      • メーカーや輸入元など製造事業者等が設定する希望小売価格が販売時点で有効に設定され公表されているものであれば、比較対照価格として用いることができます。

 

但し、この価格のとおりに販売するかどうかは各小売店の自由です。メーカーが希望小売価格で販売することを小売店に守らせることは、書籍など一部の商品を除いて独占禁止法で禁止されています。
 

因にオープン価格という表示を見かけた方も多いと思います。
 

オープン価格とは、メーカーが希望小売価格を示すことをやめ、販売価格の決定を完全に小売店に委ねたことを意味しています。厳密にはオープン価格には、発売当初はメーカー希望小売価格があったが途中でそれをとりやめる場合と発売当初から希望小売価格を設定しないケースがありますので注意が必要です。
 

売りたいからといって、安易に価格をつけてごまかしたり、存在しない価格をあるようにみせかけて消費者に誤認を与えないようにしましょう。という簡単なルールですが、意外に知らない方も多いようです。
 

二重価格表示違反は罰則が比較的重い法律でもありますから、今一度自社の価格やキャンペーンを見直してもいいのではないでしょうか。
 

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加えて、美容健康業界の企業様は、事実に反する表示での景表法違反にも注意ですが、よくご質問を頂くアンチエイジング系の若返りワードや、肌色を変える美白系のワード、ビフォーアフター写真のような若返りを暗示する写真やイラストでの表現も薬機法違反の対象となりますので注意が必要です。
 

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美容サービスにおける、2015年景品表示法違反の事例

景品表示法の管轄とは、その歴史

先ず、景品表示法という法律がどのような歴史を辿って今に至るのか簡単に説明します。

  • 2009年までは公正取引委員会が管理していましたが、同年9月に消費者庁へ移行された。
  • その際に「排除命令」は、消費者庁によって「措置命令」という名称に変更されている。
  • もともと公正取引委員会が管轄する法律には「独占禁止法」という大きな法律があり、公正取引委員会管轄の時代はこの法律を以て各業界監視を行ってきた為、景品表示法による取締件数はそれほど多くはなかった。
  • だが景品表示法が消費者庁に移行されてから、本法律による措置が増えている。

実際の摘発事例

では実際に摘発された事例を最新の2015版でご紹介します。

1)2015年3月、某大手エステサロンが自社の美顔トリートメントについて、折り込みチラシやWebサイト上で「細胞レベルでの若返り」と謳った。

エステ運営会社には改善指示。

2)2015年4月、「小顔矯正」「即効性と持続性に優れた施術」などと謳ったエステサロンが、裏付けとなる根拠を提示することができなかったとして消費者庁が措置命令

具体的には、景品表示法第4条の「優良誤認」の行為とみなし、消費者にその旨を周知すること、さらに再発防止策を講じ従業員に周知することなどを命じた。

3)2015年3月、都内の美容医療クリニック4事業者のインターネット上の広告について、消費者を誤認させるおそれのある表示であるとして、以下を景品表示法に基づき、表示の改善を指導。

「今だけ!!脂肪吸引50%OFF 11月30日まで」

11月30日まで限定の割引と思わせていたが、実際にはほとんど1年中、割引価格で提供していた。11月30日までに申し込めば割引価格が適用されるが、それを過ぎると割引価格にならないと、誤認させるおそれがあるため。

「アンチエイジング治療 3回プラン 通常価格180,000円→キャンペーン中135,000円」

キャンペーン価格での販売が常態化していて、キャンペーン価格が「通常価格」となっていた。通常、キャンペーンは短期間実施されるものであり、キャンペーンが終わる前に早く申し込まないと割引価格にならないと誤認させるおそれがあるため。

「部分痩身マシーンで1週間でウエスト-5センチメートル引き締め効果」

モニターが1回施術を受けた際の施術前後のウエスト周りのサイズを測定し、その最大減少値をもとに表示していたが、広告上にはその旨の説明はなかった。モニターのウエスト周り減少の平均値はマイナス1~2センチメートルであった。
誰でもマイナス5センチメートルが実現できると誤認させるおそれがあるため。

「10歳若い私に」という表現

老いて見える原因の一つである顔面のシワ等を薬剤注入によって見えなくし、見た目を若くする施術であるというが、見た目の年齢が10歳若くなるとは断定できないものであり、誰でも見た目年齢が10歳若返るかのように誤認させるおそれがあるため。

2015年景品表示法違反の事例:まとめ

いかがでしょうか。
意外に特別なことではなく、誰でも陥りそうな内容ではないでしょうか。
これらがどのように摘発されたのかについては開示されていませんが、インターネットなどで広く広告宣伝していると消費者庁の目にもつきやすくなります。また、消費者からの別の相談で発覚したり、または同業者からのちくりや通報といった場合も多いようです。何か心配ごとがあるなら、このタイミングで専門家に相談してみるのも手ではないでしょうか。

景品表示法における二重価格表示とは?

某美容医療を提供する事業主に改善命令が下された事例

2015年の美容サービスにおける景品表示法における摘発事例の多くには、長期的なキャンペーンというものがありました。
 

例えば、「アンチエイジングプラン 3回通常◯◯円が50%オフの◯◯円でキャンペーン中!」というサービス内容。
キャンペーン価格での販売が常習化していて、キャンペーン価格が「通常価格」になっていたため景品表示法上の「有利誤認表示」として表示の改善命令がくだされたのです。
 

このような内容で多くの場合同時に摘発されやすいのが「二重価格表示」です。
 

景品表示法における二重価格とは?

「有利誤認表示」とは、商品やサービスの価格や取引条件について、競争事業者のものよりも著しく有利であると誤認される表示を禁止していることであり、上記事例で述べた某美容医療のキャンペーンにおいては、消費者に「限定」だと誤認を与える恐れがあるため改善命令がくだされたました。
 

ですが、元を辿ればそもそも1年中キャンペーンと見せかけているわけですから、通常価格が本来実在していたのか?ということが議論の対象となるのです。
 

価格は消費者にとって最も大事な情報の1つです。
 

価格表示が適正に行われていない場合には、消費者の選択を誤らせることとなります。このような観点から、価格表示に関する違反行為の未然防止と適正化を図るため、景品表示法では二重価格表示についても明確にルールを設定しています。
 

二重価格表示とは

販売価格以外に参考となる別の価格(比較対照価格)を同時に表示することを指します。
 

例:通常200,000円が50%オフの100,000円
 

不当な二重価格表示とは、その比較対照価格が根拠のないものや不合理な場合です。
冒頭の事例で紹介した某美容医療のキャンペーンの場合は、「通常◯◯円が50%オフの◯◯円」の部分において、通常価格にそもそも根拠があったのか、それが通常価格であるかの証明ができるのか問われます。
 

二重価格表示違反をすると、内閣総理大臣から措置命令が出されその命令に違反した者は2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されますので、安易にキャンペーンを行わず、きちんと法律を理解し正しく事業を進めることが必要です。それでは次に記事で、二重価格表示のルールについて詳しく解説していきます。

消費者による口コミ投稿はどこまで自由?

食べログ訴訟から見る口コミ投稿

最近話題になったばかりの「食べログ訴訟」。口コミサイトの食べログに顧客から「出てくるのがおそい」「まずい」などと書かれた店が、その後お客さんが激減したとしてサイトを運営しているカカクコムに対して情報の削除と損害賠償を求めて札幌地裁に提訴しました。

結果は、札幌地裁はその請求を棄却。(原告が負け)

また別の案件では、写真などを無断掲載され「隠れ家」を売りにする事業戦略が妨害されたとして、大阪市内の飲食店が運営会社「カカクコム」に店舗の情報削除と330万円の損害賠償を求めた訴訟では、

大阪地裁は2月23日、その請求を棄却。(原告が負け)

いずれも口コミサイトは、あくまで客観的事実を消費者の意見として掲載しているものであり、店舗側の要求は取り入れられなかったこととなりました。

悪口は「罪」になるが口コミの線引きは難しい

どうやら口コミを明確に定義するのは、受け取る側の事情により変わるため、難しいようです。
ですが、どんな口コミでも許される。というわけではありません。
事業主の皆さんに知って頂きたいのは、その口コミの内容にお店の社会的名誉を汚すような行為、業務妨害、名誉毀損や侮辱的な内容が含まれる場合は、処罰できる可能性もあるということです。
例えば、他人の能力、徳性、身分、身体の状況などについてただ単に批判された場合の侮辱は消費者の罪になります。

ですが、口コミに書かれた内容が真実であり、公共の利益のためと判断された場合は、全く問題ないと判断されます。
今回の食べログ事例では、「料理が出てくるまで40分くらい待たされた」との書き込みにより、お店の評判は下がったわけです。

待たされたことが嘘であることの証明や、悪徳な目的による書き込みであることが証明されたわけではないため、書き込みは正当な範囲内で、カカクコム側としても削除はできないという判断に至ったのです。

口コミサイトの利用規約を確認しよう

店舗または事業主側としてはその口コミの内容は都合が悪いけれど、決して名誉や侮辱行為に該当する証明ができない場合は、まず口コミサイトのガイドラインを確認してみましょう。

実際の食べログの口コミガイドライン(一部抜粋)

お店へ悪影響を及ぼすかつ内容の確認が困難な事象についての投稿はご遠慮ください。

食べログはあくまでも個人の感想を共有するサイトです。お店へ悪影響を及ぼすかつ事実関係の確認が困難な事象の書き込みはご遠慮ください。

※食べログでは、投稿された口コミの内容が事実かどうかの確認は行っておりません。

例)

  • ここのお肉を食べると必ず腹痛になる。(NG:料理が原因でおきた症状に関する口コミ)
  • 経費削減のためエアコンをつけていない。(NG:お店の経営方針・内部事情に関して、決め付けた口コミ)
  • 化学調味料を使っている。(NG:お店の調理方法や材料に関して、決め付けた口コミ)
  • 常連になると料金をタダにしてくれることがあるそうです。(NG:一般に公開されていないサービスに関して、決め付けた口コミ)

なお、事実関係の確認が困難 (感想としての記述ではないもの)で、かつ他のユーザーやお店から「その内容は事実と異なる。」という連絡があった口コミについては、食べログ側で連絡いただいた内容を元に確認し、本項に該当すると判断した場合には、当該口コミを削除する場合がございますのでご了承ください。

以上。

ほとんどの口コミサイトでは、こういった口コミ投稿におけるガイドラインを設定しています。
もし口コミサイトに投稿された書き込みが違法性はないけれど、ガイドライン上のルールを破っているような疑いがあれば、サイト運営者に相談してみるのもいいでしょうですが、その判断さえも一般の方ではなかなか分からない部分ではあると思いますので、まず事を起こす前に専門家に相談してみるのも有効です。

「モニター募集」は景品表示法が適用になる?

モニターの定義とは?

幅広く一般的には‘放送・新聞の内容や商品の性能などについて,一般の視聴者・読者や消費者の中から選ばれて,意見や感想を述べる人。’と定義されています。 引用元:三省堂 大辞林

 

商品やサービスを無償で提供する代わりに、感想やアンケートに答えてサービス向上に役立てる業者と客との間にwin-winな取引が成立することです。
ですが、近年モニターの定義が多様化しつつあると共に、本来の意味を超えて使用される場合が多く存在しています。
そしてそこには様々な法律が複雑に絡み合うので注意が必要です。
 

景品表示法に抵触しない場合:報酬有

抵触しない場合:商品を無償で提供し、協力してくれたモニターへ謝礼を払う
 

謝礼ありきで協力してもらうモニターは仕事の‘報酬’として成り立つので、景品表示法には抵触しません。
 
 

抵触する場合:限定100名様に通常2,000円の本品を無料モニター募集

まず、「通常2,000円」に対して二重価格表示の規定を守る必要があります。二重価格表示とは過去8週間かつ直近2週間で通常価格として販売している実績が必要です。
 

次にキャンペーン期間の設定をする必要があります。キャンペーン期間を設定していないと景品表示法違反の可能性があります。
 

最後に、「通常2,000円の本品を無料」で提供する景品が下記のどの景品類に属するのか検証し、それぞれの禁止事項を守る必要があります。
 

景品類は、一般懸賞・共同懸賞・オープン懸賞・総付景品の4つです。
例えば、「通常2,000円の本品を無料モニター募集」のキャンペーンが、既に商品を購入した方のみまたは顧客のみが対象であれば、総付景品になり、
商品やサービスを利用していない方対象で、継続的取引がない前提はオープン懸賞となります。
 

その上で、設定できる金額=通常2,000円の部分が変わります。
 

キャンペーン期間なし、二重価格表示のルールを無視、提供できる景品の上限価格を超えているなど、どれか1つでも守れていない場合は景品表示法に抵触してしまいますので気をつけていただきたいところです。
 

モニター商法

消費者にとっては嬉しいモニターですが、それを逆手にとって悪徳商売をする業者もいるようです。
モニター商法とは、モニターになると商品が安くなる、モニター料といった名目で収入を得られるといった勧誘を行なう商法のことを指します。
 

この商法には2種類あり、1つ目はモニターになって商品のレポート提出、アンケートに協力、感想文の提出などをするとモニター以外の人よりも商品の代金やサービスの料金が安くなるといって勧誘すること。
 

2つ目は、モニターになると商品の代金やサービスの料金は支払う必要があるが、商品のレポート提出、アンケートに協力などをするとモニター料が得られるためすぐに支払った料金以上の収入が得られる、元が取れるなどとして勧誘すること。
 

しかし、実際にはモニターという名目の悪徳商法であり、通常購入しているのと変わらない場合があるようです。
モニターという名目で悪徳商法をすると業務提供誘引取引として、特定商取引法違反となりますので絶対にしてはいけません。
 

事業主側にとって気軽に出来るいわゆるモニターキャンペーンですが、安易に行っていると様々な法律に触れる可能性があるのできちんと理解し行っていただきたいものです。
 

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インターネット通信販売の金銭トラブル。後払いにおける法律とは

後払いには「時効」があることを把握しましょう

事業者にとって後払いは、売掛金になります。その売掛金の未払いリスクは大小に関わらず痛手になるのではなりますよね。
法律的には売掛金の時効は2年です。2年以上にわたり遅延されると売掛金の権利が消滅してしまいそれ以上支払われることは愚か催促さえできなくなります。但し、2年後に時効期限が経過しても債務者側に支払う意志があれば債権は消滅せず、支払いを受けることが可能です。

そのため2年以内に何か対策をする必要があります。
では、それを回避するための手段を解説します。

後払いで購入した支払いが行われない場合

(1)まず支払いを消費者に承認させる

「支払い契約書」または「残高確認書」などを作成して、支払いを滞っている顧客(債務者)に対して郵送または直接渡すようにします。その書類に債務者が署名捺印した時点で債務を承認したことになり時効は中断されます。(時効はその捺印した日から2年後が新しい時効成立日となる)

例えばこれらの正式な書類無しで「払ってください」「○月○日までに払います」という口頭の交渉だけで行うと、売掛金の存在自体が明確にならないために法的には事業主側が不利になりますので要注意です。

(2)内容証明郵便で請求する

顧客(債務者)が自分の債務を認めない場合には、時効期間内に請求書を送付します。ただしその際には「内容証明郵便」として郵送しておくべきです。内容証明により債務者への請求書送付日が確定すれば、そこから6ヶ月間は時効が中断します。その6ヶ月以内に支払い交渉をすることになりますが、それでも支払ってもらえない場合には訴訟を起こすなどの強制策をとるなど考えましょう。

因に内容証明郵便は、一行20字以内、行数は26行以内で、必ず記載しなければいけない事項等の条件が細かく定められています。それらが守られていないと、内容証明として成立しないケースもありますので一度専門家に相談することをおすすめします。

インターネット通販での後払い決済については、請求書の発行から債務の代行などまで行ってくれるNP後払いという決済システムもあるようです。ですが今回述べた方法は、事業間の取引にも同じことがあてはまることですので頭に入れておくといいのではないでしょうか。

景品表示法が適用にならない事例とは?

景品表示法に該当しないサービスや景品類とは

(1)取引本来の内容をなすもの

例)
宝くじの当選金、パチンコの景品、
喫茶店などでコーヒーについてくる砂糖とクリームのサービス

(2)仕事の報酬としてもらえるもの

例)モニターに対して支払われる仕事としての報酬

(3)同一商品の付加の場合

例)
この化粧品を買うと、もう1本無料でプレゼント
コーヒーを1杯頼むともう1杯サービス、
クリーニングスタンプ◯◯個でYシャツ1枚分サービスなど。
※但し以下の場合は、景品表示法に該当します。

例)
コーヒーを飲んだらジュース1杯をサービス、
ハンバーガーを買ったらフライドポテトをサービスなど、
提供した商品と別のものを景品として提供すると、同一商品の付加とはみなされず景品表示法に抵触してしまいます。

(4)商品を二つ以上組み合わせて販売することが商習慣になっている場合

例)乗用車とスペアタイヤ

(5)商品を2つ以上組み合わせることにより独自の機能効用を持つ商品

例)
菓子と玩具のおまけ付き、
パック旅行(食事付き、劇場、お土産がついてくる)など

(6)単なる値引きの場合

例)
◯◯個以上買うと、◯◯円引き、
化粧水を買うとその場で乳液を◯◯%引き、
◯◯円のお買い上げごとに、次回のお買い物から◯◯円値引き、
合計金額から◯◯%値引き、
ポイントが◯◯溜まれば◯◯円分キャッシュバック。
※但し、値引きした分の使い道をお店側が限定してしまうと、単なる値引きに該当せず景品表示法の「景品類」としてみなされます。

例)
購入商品は値引きするが、値引き分は温泉旅行費用に充てる、
携帯本体の料金は無料だけど、その分ネット通信に充当する、
このピアノを買うと10万円の値引きか招待旅行のいずれかを選択できる。などです。

景品表示法は、業界を問わずほとんどの事業主に関わるため比較的問い合わせが多い法律です。そのため、景品表示法に全く抵触しないケースでも「もしかして」と思い込み悩んでしまう事業主もたくさんいます。
少しでも心配であれば、これをきっかけに専門家などに相談してみるのもいいのではないでしょうか。

インターネット販売における「返品に関する」法律や規定は?

返品時の送料負担はどちらが負うの?

そもそも民法では、「契約は当事者の申込みと承諾によって成立」とありますので、事業主と消費者とで交わした契約内容をどちらかが一方的に変更することはできません。
要するに購入者側(お客)からの一方的な「返品」は承諾していません。ですが多くは、「誠意」や「信頼」のため、消費者の要望に答えている事業主が多いのではないでしょうか。
ただし頭に入れておきたいのは、インターネットにおける通信販売にのみお客に適用される「法定返品権」という権利が存在するということです。

特定商取引法第15条の2では、

(通信販売における契約の解除等)

      1. 第15条の2

 

      1. 通信販売をする場合の商品又は指定権利の販売条件について広告をした販売業者が当該商品若しくは当該指定権利の売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は売買契約を締結した場合におけるその購入者(次項において単に「購入者」という。)は、その売買契約に係る商品の引渡し又は指定権利の移転を受けた日から起算して8日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。

 

    1. ただし、当該販売業者が申込みの撤回等についての特約を当該広告に表示していた場合(当該売買契約が電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律 (平成13年法律第95号)第2条第1項 に規定する電子消費者契約に該当する場合その他主務省令で定める場合にあっては、当該広告に表示し、かつ、広告に表示する方法以外の方法であって主務省令で定める方法により表示していた場合)には、この限りでない。
    1. 2  申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は指定権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、購入者の負担とする。

簡単に言うと、その契約にかかる商品の引渡し(指定権利の移転)を受けた日から数えて8日間以内であれば、消費者は事業者に対して、契約申込みの撤回や解除ができ、消費者の送料負担で返品ができます。
但し返品の際の送料については、法律上明確に定められているわけではありません。

返品対応を極力減らしたい場合は?

事業者が広告であらかじめ、契約申込みの撤回や解除につき特約を表示していれば返品にまつわる対応は減らすことができます。
では実際に「法定返品権」を行使できなくなる特約を表示する場合はどのように消費者に提示すればよいのでしょうか。その内容や表示の方法は法律で明確に定められています。

    1. ① 返品を認めるか否か
    1. ② 返品を認める場合にはそれが可能である期間等の条件
    1. ③ 返品に必要な郵送料の負担の有無

特定商取引法は、その特約内容を「顧客にとつて見やすい箇所において明瞭に判読できるように表示する方法その他顧客にとつて容易に認識することができるよう表示すること」(特定商取引法主務省令第9条第3号)と要求しています。
これらを怠ると、特約の有効性はなくなりますので事前に専門家などに相談するなどして適正に行うことをおすすめします。

ノークレーム・ノーリターン表示

よくインターネットオークションのサイトなどで見たことがあるのではないでしょうか。この「ノークレーム・ノーリターン」の意味は出品者が落札者に対して、「苦情や返品は受け付けません」という意思の表示です。つまり、そのことを了承した上で、落札して購入してくださいということを示しているようです。

但し通常では、契約が成立した場合に事業主は消費者に対して「瑕疵担保責任」という責任を負うことになります。
瑕疵担保責任とは売買の目的物に瑕疵(その物が取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、欠陥がある状態)があり、それが取引上で要求される通常の注意をしても気付かぬものである場合に、事業主が消費者に対して負う責任をいいます。

ノークレーム・ノーリターンはこの「瑕疵担保責任」はなしの前提で購入してくださいという意味でもインターネット上の取引においては一般的に使われているようですが、その効力は場合によるのでこれもまた注意して表示したいものです。

いまさら聞けないステルスマーケティングとは?法律は?

ペニーオークション事件

ステルスマーケティングが広く知れ渡ったきっかけとなったきっかけとして、ペニーオークション事件があります。これは数々の芸能人が、オークションで落札した!おすすめ!などの記事をあげていたのですが、それが「嘘」であり、ブログの記事は「やらせ」だったということでステルスマーケティングが浮上したのです。
後に詐欺事件にまで発展しこの頃からステルスマーケティングが広く知れ渡るようになりました。
さてこのステルスマーケティングにはどのような法律が存在するのでしょうか。

景品表示法における措置命令、詐欺罪に軽犯罪など

ペニーオークション事件では、消費者庁から景品表示法上の「不当表示」に該当しているとして措置命令が下され、サイト運営者は詐欺罪の疑いがあるとして逮捕、そして消費者に誤解を与える虚偽の説明をした(人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした)に該当するとして、ブログを執筆した芸能人らは、軽犯罪法を適用することについて検討されていました。(公訴時効(1年)が成立したため立件はできなかった)

ペニーオークション事件はメディアにも大きく取り上げられた近年まれにみる大事件となったのですが、このステルスマーケティング手法、人ごとではないのではないでしょうか。蓋をあけてみたらシンプルに「やらせ」だったわけですが、やった内容は誰でもやってしまいがちなシンプルな行為です。

消費者行動の偽装行為などに対する取り組み事例

このような背景もあり、サイト運営者などはステルスマーケティングに対する対策と取り組みが提示されているところもあります。

@cosme(アットコスメ)の事例(一部抜粋)

中略
==
事例1:物品や金銭(または同等の対価)と引き換えに、クチコミ投稿の依頼を行うのはNG!
事例2:恣意的に投稿内容を指示、または虚偽のクチコミ投稿の依頼を行うのはNG!
事例3:営利宣伝を目的としたメンバーメールの送信はNG!

中略

不正行為を促すサービスや業者への@cosme(アットコスメ)の対応とは?

不正行為の事実が確認でき次第、業者やサービスに対し注意勧告及び弊社顧問弁護士と共に然るべき対処をしております。
不正行為の事実が確認でき次第、該当商品がランキングに反映されない等の対応をしております。
==

ステルスマーケティングの多くの流れは、事業主やサービスを提供する会社などが芸能人をはじめ、ブロガーやインフルエンサーなどに直接依頼するケース、または、そのようなことを斡旋・仲介する業者により、@cosme(アットコスメ)のような口コミサイトやブログ、SNSなどのプラットフォームが利用される傾向にあるようです。
ですが、ステルスマーケティングが発覚した場合、依頼した事業主はもとより、協力した関係者、本来関係のないサイトにまで影響を及ぼし、ペニーオークションのような大事件にまで発展する恐れがあります。これでは社会的信用がいっきに奪われることとなります。

「他人に評価してほしい」事業主なら誰しもがそう思うはずですが、健全な方法で評価されなければいけませんね。

メーカーと卸売業者がしてはいけないこととは?独占禁止法

自由競争を表すと

とある美容機器会社が販売しているホームケア美顔器があるとします。
それを仕入れて消費者に販売している売り手であるA社、B社、C社、D社、がいるとします。

そのとき、

A社:¥20,000
B社:¥23,500
C社:¥25,000
D社:¥22,000

で販売していたとします。すると、消費者は一番安いA社で購入したとします。
すると、A社以外は売上げがうまくいかず、値段を下げることになります。
そして、

A社:¥20,000
B社:¥19,500
C社:¥19,000
D社:¥18,000

となると今度は、一番安いD社で消費者が購入を始めます。
するとさらにまたD社以外が値下げをして…

市場で自由に競いながら物やサービスが売買される。これが日本経済における自由競争の基本です。
権力や半勢力的社会、賄賂などに縛られず、誰しもが自由に事業を平等にできる状態であり、販売者と需要者の互いがより大きな利益を得るということが事業の目的となるため、消費者は商品をより安く入手することができるというメリットも生まれます。

ただし、自由競争が進みすぎると少数の売り手だけが勝ち残ってしまい、利益を求めて競争をやめたり、既存の売り手や新規参入してくる売り手のじゃまをする場合があり、経済の発展に繋がらないことが出てきてしまいます。そのため一見自由競争とは真逆の意味でもある独占禁止法という法律も存在します。

独占禁止法とは?

基本的に大きく3つの禁止事項があります。

(1)私的独占の禁止

大きな力を持つ売り手が、他の売り手のじゃますることを禁止

例えばC社¥19,000とD社¥18,000が、A社とB社さらに新規参入してくるS社のじゃまをして、販売させないようにする行為。

(2)不当な取引の制限

競争をやめるために、売り手同士がひそかに話し合いをすることを

例えばC社¥19,000とD社¥18,000が話し合い、値段を引き上げ¥30,000で販売を開始する行為。
また、美顔器会社もそれを誘導してはいけません。

(3)不公正な取引方法の禁止

お店の人が安い値段で売る事ができないように売り手に圧力をかけること

例えばC社¥30,000とD社¥30,000が新規参入してくるS社に¥30,000以下で販売しないようにと圧力をかける行為。また、美顔器会社もそれを誘導してはいけません。

ただし、著作権法、特許法、意匠法、商標法による権利がある場合は、
独占禁止法を適用しない旨の規定がされています。(独占禁止法第23条)。

自由競争と独占禁止法は、一見真逆の法律に捉えがちですが、日本経済の平等性及び自由な発展を願うための密接な関係にある法律です。
日本の独占禁止法は「公正取引委員会」という国の役所が上記で挙げた2つの禁止行為がないように監視をしています。

独占禁止法に関しては上記はあくまで一例に過ぎず、この他事細かい禁止事項があります。自由競争または独占禁止法に違反すると犯罪行為として刑罰(懲役または罰金)を受けることがありますので、正しく運営できているか、サービスに違反性はないか、迷った時はすぐに専門家に相談するなどして対処する方がよさそうです。