販売・広告に関するQ&A

新規販売やキャンペーンを行う時に気をつけたい「価格」設定

2016.2.22
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物販やサービスなどの「価格」をいくらに設定するかは事業主の自由です。ですが、その価格をなにかしらのキャンペーンとや販売促進と同時に消費者に提供する時は二重価格表示に基づくルールを守らなければならないのはご存知でしょうか?
以外に見落としがちな「価格」に関する法律。今回は、その「二重価格表示」のルールを詳しく紹介したいと思います。

二重価格表示とは?

そもそも二重価格表示だと認識される場合は、その価格に比較対照価格がある場合です。
例えば、「通常価格10,000円、割引率50%OFF、販売価格5,000円」
この場合、通常価格と販売価格の2つの価格がありますね。
二重価格表示違反か否かは、その比較対照価格のルールが守れているか否かということにです。
 

尚、比較対照価格には
(1)過去の販売価格
(2)他店の販売価格
(3)メーカー希望小売価格
の3種類ありますので1つ1つ紹介します。
 

(1)過去の販売価格

「通常価格」や「セール前価格」などと表示されているものは、次の場合に表示可能となります。
 

    • セール開始時点から過去8週間のうち、4週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます。
    • 販売開始から8週間未満のときは、販売期間の過半かつ2週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます。

 

上記(1)や(2)を満たす場合であっても、実際に販売した最後の日から2週間以上経過している場合には、過去の販売価格として表示することは原則としてできません。
販売期間が2週間未満のときは、過去の販売価格として表示することは原則としてできません。
 

(2)他店の販売価格

これは、「市価」や「他店販売価格」などとして表示される価格です。以下の場合に表示することができます。
 

      • 市価を比較対照価格に用いるときは、地域内の事業者の相当数が実際に販売している価格を用いる必要があります。
      • 特定の競争事業者の販売価格と比較する場合は、その事業者の実際の販売価格及び事業者の名称を明示する必要があります。

 

(3)メーカー希望小売価格

「メーカー小売価格」などと表示されているものは、次の場合表示可能です。
 

      • メーカーや輸入元など製造事業者等が設定する希望小売価格が販売時点で有効に設定され公表されているものであれば、比較対照価格として用いることができます。

 

但し、この価格のとおりに販売するかどうかは各小売店の自由です。メーカーが希望小売価格で販売することを小売店に守らせることは、書籍など一部の商品を除いて独占禁止法で禁止されています。
 

因にオープン価格という表示を見かけた方も多いと思います。
 

オープン価格とは、メーカーが希望小売価格を示すことをやめ、販売価格の決定を完全に小売店に委ねたことを意味しています。厳密にはオープン価格には、発売当初はメーカー希望小売価格があったが途中でそれをとりやめる場合と発売当初から希望小売価格を設定しないケースがありますので注意が必要です。
 

売りたいからといって、安易に価格をつけてごまかしたり、存在しない価格をあるようにみせかけて消費者に誤認を与えないようにしましょう。という簡単なルールですが、意外に知らない方も多いようです。
 

二重価格表示違反は罰則が比較的重い法律でもありますから、今一度自社の価格やキャンペーンを見直してもいいのではないでしょうか。
 

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近年、景品表示法に基づく措置命令や課徴金納付命令が多く出されており、二重価格表示やナンバーワン表記、そして「飲むだけで痩せる!」などの事実と異なる表記への取り締まりが一層強くなっているのが現状です。
 
加えて、美容健康業界の企業様は、事実に反する表示での景表法違反にも注意ですが、よくご質問を頂くアンチエイジング系の若返りワードや、肌色を変える美白系のワード、ビフォーアフター写真のような若返りを暗示する写真やイラストでの表現も薬機法違反の対象となりますので注意が必要です。
 

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弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

美容広告専門チームは、美容業界と広告に精通した弁護士集団として、高い専門性を持ち、多くの企業の顧問弁護士を務めている。美容や広告に関するセミナーでの講演依頼を多数受け、新聞をはじめとしたメディアからも数多くの取材を受ける。

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