顧客対応に関するQ&A

クーリングオフってどんなルール?

2016.2.19
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エステ業を営んでいる方なら一度は聞いたことのある「クーリングオフ」というルール。名称は聞いたことはあるけど、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。来年中には今まで規制対象外だった美容医療サービスがクーリングオフの規制対象となることが今話題になっています。そこで今回はますます規制が強化されるであろう、美容業界のクーリングオフについご紹介します。

クーリングオフとは?

そもそもクーリングオフというのは、特定商取引法という法律が認めている民事ルールの1つです。エステや美容業界に関わらず、様々なサービスが提供される消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するために「消費者による契約の解除」が無条件で出来ることを指しています。

では実際、クーリングオフはいつでもできるものなのでしょうか。
特定商取引法が認めるクーリングオフは、下記の場合が適用条件と示しています。

    1. 1、申込みまたは契約後に法律で決められた書面を消費者が受け取ってから特定商取引法で定めれた一定の期間内

      1. 2、 特定商取引法で取引類型(いわゆる取引方法)に定められた契約内容に該当する場合

消費者も事業主側も、これらの期間や契約内容をサービスや提供される商品ごとに正確に把握する必要があります。特定商取引法には取引類型(いわゆる取引方法)が7種類ありますが、1で述べた「一定の期間」がそれぞれ異なります。

訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日間
連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日間
通信販売にはクーリングオフが適用されません。

そしてこの期間を定める日とは「申し込みまたは契約後に法律で決められた内容が記載された書面を交わした日」から数えます。
※事業主側は定められた法律の元で書面を作成、消費者に提示し交わすことも特定商取引法の中で義務づけられています。

エステティックサービスのクーリングオフとは?

それでは、2でのべた特定商取引法で取引類型(いわゆる取引方法)に定められた「契約内容」とはどのようなことかをエステティックサービスでご紹介します。

特定商取引法の中でエステティックサービス(いわゆる美顔・痩身・脱毛などの施術を提供するサービス)は、特定継続的役務提供という取引類型に分類されています。その取引類型ではエステティックサービスの契約内容が
「契約期間が1カ月を超え、かつ金額が5万円を超える場合」クーリングオフが適用とされています。

まとめると、

  • ✔事業主側が消費者へ提供するエステティックサービスの契約が1ヶ月を超えるものでかつ金額が5万円を超えるものは、クーリングオフの対象となる
  • ✔上記に該当するサービスを提供する場合、事業主側は消費者に対し法律で定められた書面を交わす必要がある
  • ✔上記で交わした書面がある場合、クーリングオフは申込みまたは契約後、8日間は適用されている

となります。

このクーリングオフ、今まで適用外であった美容医療サービスも来年度には施行される動きが強まっていますのでますます消費者によるクーリングオフが増えるかもしれません。後からトラブルにならないよう不安な事業主の方などは今のうちにその契約内容に明記する内容などを専門家に相談してみるといいかもしれません。

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弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

美容広告専門チームは、美容業界と広告に精通した弁護士集団として、高い専門性を持ち、多くの企業の顧問弁護士を務めている。美容や広告に関するセミナーでの講演依頼を多数受け、新聞をはじめとしたメディアからも数多くの取材を受ける。

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