特定商取引法(通信販売)

1 特定商取引法の目的

特定商取引法は、一定の類型の取引(特定商取引)を公正にし、消費者が被る損害を防止することで、消費者の利益を図ることを目的とした法律です。

特定商取引には7つの類型がありますが、ここでは「通信販売」に係る取引について、特定商取引法上の規制をご紹介します。

2 「通信販売」とは

「通信販売」とは、事業者がインターネット等によって申込みを受け、商品や権利の販売又はサービスの提供を行うことをいいます。

通信販売は、隔地者間の取引なので、特に消費者の利益を図る必要がある取引方法として、特定商取引法の規制対象とされています。

3 通信販売を行う場合の規制

(1) 広告に表示することが義務付けられている事項

特定商取引法は、通信販売を行う事業者に対し、必要かつ十分な情報の明確な記載を義務付けることにより、消費者の利益を保護しています。すなわち、事業者が広告をする際には、原則として以下の表示が義務付けられます。

① 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(送料を含む。)

② 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法

③ 商品の引渡し時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期

④ 商品若しくは指定権利の売買契約の申込みの撤回又は売買契約の解除に関する事項(特定商取引法が認めた法定返品権と異なる特約がある場合には、その内容を含む。)

⑤ 事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号

⑥ 事業者が法人であって、電子情報処理組織を使用する方法により広告をする場合には、その代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名

⑦ 申込みの有効期限があるときは、その期限

⑧ 前記①の金銭以外に購入者又は役務の提供を受ける者の負担すべき金銭があるときは、その内容及びその額

⑨ 商品に隠れた瑕疵がある場合、販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容

⑩ 磁気的方法又は光学的方法によりコンピュータのプログラムを記録したものを販売する場合、又はコンピュータにより映画、演劇、音楽、スポーツ、写真若しくは絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞させ、若しくは観覧させる役務を提供する場合、若しくはプログラムをコンピュータのファイルに記録し、若しくは記録させる役務の提供をする場合には、その商品又は役務を利用するために必要なコンピュータの仕様及び性能その他の必要な条件

⑪ 前記⑧~⑩以外に商品の販売数量の制限その他の特別の商品若しくは権利の販売条件、又は役務の提供条件があるときは、その内容

⑫ 広告の表示事項の一部を表示しない場合であって、法11条ただし書の書面(カタログや説明書の書面)を請求した者に当該書面に係る金銭を負担させるときは、その額

⑬ 事業者が、通信販売電子メール広告をする場合には、事業者の電子メールアドレス

(2) 誇大広告等の禁止

「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」は禁止されています。

(3) 電子メール広告の規制

事業者が電子メール広告を送信することについて、消費者が承諾しない場合には、原則として電子メール広告は禁止されます。

(4) 「前払式」通信販売についての規制

事業者が前払式(消費者が商品の引渡しやサービスの提供を受ける前に代金を支払う方式)の通信販売を行う場合、代金を受領したときは、原則として、遅滞なく、一定の事項を記載した書面により、申込みの承諾の有無等を通知しなければなりません。

(5) 契約解除に伴う債務不履行に対する規制

通信販売における契約が解除された場合、事業者が代金返還などの債務を不履行とすることは禁止され、後に述べる行政処分等を受ける可能性があります。

(6) 意に反する契約の規制

消費者の意に反して契約の申込みをさせようとする行為は禁止されています。特に、インターネット通販においては、消費者が申込み内容を容易に確認・訂正できるような措置を採る等の対応が必要です。

4 違反した場合

上記規制に違反した場合には、事業者は、業務改善の指示を受けたり、場合によっては業務停止命令を受けたりする可能性もあります。

5 クーリング・オフ

通信販売においては、他の特定商取引の場合と同様、クーリング・オフが認められています。これにより、消費者は、申込み又は契約後に、商品の引渡しを受けた日から8日間に限り、申込みの撤回又は契約の解除を行うことができます。

 

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