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医薬品ビジネスに関する主な契約類型とポイント その1(研究・開発)

2019.11.29
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1 はじめに

医薬品ビジネスに関する業務を時系列で概観すると、大きく以下の5つの業務があります。

①薬のタネを見つけその芽を育む研究業務

②さらに芽を成長させ、医薬品としての有効性と安全性に関するエビデンスを創出・収集し、当局から製造販売承認を得る開発業務

③販売する製品を製造する生産業務

④製品を販売しプロモーションを行う販売・営業業務

⑤製造販売後のエビデンス創出・医薬関係者等への情報の周知を行うメディカルアフェアーズ業務

また、以下の業務も存在します。

⑥医薬品の品質に関する信頼性保証業務

⑦その他一般の会社と同様に、購買、経理、人事といった間接部門に関わる業務

⑧開発品又は医薬品の導出入、合併、株式譲渡、事業譲渡等のM&Aといった他社との提携に関わる業務

以下、これら各業務にかかわる主な契約類型のポイントを数回に分けて概観します。
今回は、①研究業務及び②開発業務に関する契約の主なポイントのみご説明します。

2 各業務にかかわる契約類型

(1)研究業務

試料提供契約書(MTA)、研究委託契約書、共同研究契約書、共同特許出願契約書、ライセンス契約書などがあります。

研究活動によって生じることが想定される研究成果に即して、研究成果を定義した上で、その知的財産権や所有権の帰属、実施権の内容や条件、研究成果の公表に関して、明確にルールを決めておく必要があります。

特に、製薬企業とアカデミアとの共同研究においては、それぞれの目的が異なります。製薬企業の目的が、医薬品の開発・製造販売、医薬品の特許取得にあるのに対して、アカデミアの目的は、研究成果の論文や学会等による公表・研究活動の深化・発展にあります。そこで、契約内容の交渉においては、このような相手方が求めるもの・目的を理解し、譲れるところは譲歩してwin-winを指向することが契約締結のために重要となります。

(2)開発業務

医師とのコンサルティング契約書、治験契約書、CROとの業務委託契約書などがあります。
治験業務には、薬機法及びGCP省令が適用されるため、契約書作成においても、当該法令に準拠した内容にする必要があります。
具体的には、治験契約書には、GCP省令13条1項各号の必要的記載事項を漏れなく記載する必要があります(同項のGCP省令ガイダンスの解説もご参照ください。)。
また、製薬企業とCROとの間の業務委託契約書には、GCP省令において、当該契約書の必要的記載事項を漏れなく記載する必要があります(GCP省令12条1項各号、GCP省令ガイダンス12条の解説もご参照ください。)。

さらに、治験においては、健康被害が不可避であるため、健康被害が生じた場合の措置と責任の主体・内容を定めておく必要があります。

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