景表法における打消し表示

1.打消し表示とは何か

打消し表示は、強調表示の内容が不当表示となる時に問題となります。
 

例)
・「これを飲めば痩せる!!」     ←強調表示

・「運動と食事制限の組み合わせによる」←打消し表示
 

この打消し表示について、消費者庁は、以下の3つの実態調査報告書を公表しています。
これらの報告書にからは、消費者庁が、世の中の打消し表示はほとんど意味をなしていないと考えていることが分かります。つまり、打消し表示をしていたとしても、消費者庁は打消し表示をないものとして不当表示かどうかを判断するということです。
 
例)

・「打消し表示に関する実態調査報告書」(平成29年7月14日公表)

・「スマートフォンにおける打消し表示に関する実態調査報告書」(平成30年5月16日公表)

・「広告表示に接する消費者の視線に関する実態調査報告書」(平成30年6月7日公表)

 

2.具体例の検討

上記の報告書で用いられたデモ広告を具体例に検討してみましょう。
 

2-1具体例①


 

上記の広告の打消し表示には、次のような問題点があります。
 

①強調表示とは別の画面に打消し表示がある

②強調表示と比べて、打消し表示の文字が小さい

③強調表示は目立つ色で、打消し表示は目立たない色で表示されている

④打消し表示の文字が、背景の画像と重なって見づらい

⑤コンバージョンボタンから離れた別の画面に打消し表示がされている。
 

いずれも打消し表示一般に当てはまるような問題点です。

上記のとおり、打消し表示はないものとして扱われますので、

打消し表示がなくても問題のない広告にする必要があります。

もっとも分かりやすい対処法は、打消し表示の内容を強調表示に

入れ込んでしまうというものです。
 

上記の広告で言えば、強調表示では「誰でも」定期コースをいつでもやめられるように見えるところ、実際には「初めて注文した人だけ」が対象となっており、そのことが打消し表示でしか表示されていないことが問題です。
 

そのため、強調表示を「初めてご注文の方はいつでも解約可能」「初めての方であれば、やめたい時にいつでもやめられます」とすることで、打消し表示の内容を強調表示の中に組み込むという対策が考えられます。
 


 

2-2具体例②


 

上記の例でも、打消し表示には

①強調表示と打消し表示が画面上で離れている

②強調表示と比べて、打消し表示の文字が小さい

③強調表示は目立つ色で、打消し表示は目立たない色で表示されている

という問題点があり、一見して打消し表示の内容を認識できないことが明らかです。
 

この場合も、打消し表示の内容を強調表示に入れ込んで、「未開封の場合であれば全額返金受け付けます」のように表示することで問題は解消されます。
 


 

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弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

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