弁護士がアンチエイジング化粧品を製造するうえでの注意点を解説

①化粧品を製造するには「許可」が必要

化粧品を製造するには、厚生労働大臣の「許可」が必要であることが、法律(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(いわゆる薬機法)13条)によって定められています。
 
化粧水、香水、口紅等だけではなく、石鹸やシャンプー、ハミガキ、ボディローション、スキンケア用品、毛髪用剤なども化粧品に該当します。そのため、これらの化粧品を製造しようと思った場合、許可を得る必要があるのです。
 
なお、化粧品を「業として」製造する場合に許可が必要となりますので、例えば、「自分の趣味で、自己使用をする目的で、一度、石鹸を作ってみる」というような場合は、薬機法における許可は不要となります。

 

他方、石鹸等が、化粧品ではなく、医薬部外品や医薬品に当たる場合は、より強い規制を受けることになります。

 

②「製造販売」と「製造」

薬機法の12条において、化粧品の「製造販売」につき許可が必要であることが、薬機法の13条において、化粧品の「製造」につき許可が必要であることが定められています。
 
「製造販売」は、化粧品を製造し販売等をすることですが、ここでいう製造は、自ら製造をする場合の外、他に委託して製造する場合を含みます。
 
化粧品を製造販売するには、化粧品製造販売業許可が必要となります。
 
製造販売業者自らが製造する場合には、それに加え、次に述べる製造業許可を取っていることも必要となります(製造販売業許可だけの場合、製品を市場に出荷することはできますが、製造(包装・表示・保管のみを行う場合を含む)をすることは出来ません。)。
 
「製造」は、一般に、製品を実際に製造することですが、薬機法においては、製品の包装・表示・保管などの工程のみを行う場合も製造に当たります。
 
化粧品を製造するには、化粧品製造業許可が必要となります(但し、令和3年8月1日の法改正により、新たに「登録」の制度が設けられました。「登録」は、製造工程のうち「保管のみ」を行う製造所であって、薬機法13条の2の2に定める特定の条件に該当する場合のみ対象となります。この場合、登録をすればよく、許可までは不要となります。)。
なお、製造業者としては、製造した化粧品を市場に出荷・上市することは出来ません。

 

③製造販売を行う製品についての検討

製品を化粧品として製造販売するに当たっては、
 
(1)製品が化粧品の定義(薬機法2条3項)に合致していることの確認
(2)製品の効能が化粧品として認められている効能の範囲内であることの確認
(3)製品の配合成分が化粧品基準に適合していることの確認
 
をする必要があります。
もちろん、製品の安全性を十分に確認することも重要です。

 

④製造業の許可取得のために

化粧品の製造業の許可を取得するためには、製造所の構造設備が基準に適合していること等の条件を満たす必要があります。
 
許可申請は、製造所の構造設備の概要や、責任技術者の氏名等々の必要事項を記載した申請書を提出することによって行います。
 
申請後、書面による調査や実地の調査が行われ、条件を満たせば許可がなされることになります(許可証が交付されます。)。
 
なお、許可有効期間満了後も引き続き製造をする場合、更新手続が必要となります。
 

⑤許可以外の事項(「アンチエイジング」という表現等)について

製造販売業許可取得後、実際に製造販売を行うに当たっては、製造販売を行う製品につき、あらかじめ、届出を行う(「化粧品製造販売届書」を提出する)必要があります。
 
更に、化粧品の販売に当たり広告をしていく場合、広告規制が適用されます。「アンチエイジング」というワードは、医薬品的効能効果を指すものであるため、許可を受けた医薬品以外の商品において、商品と絡める広告などで標榜することが認められていません。「アンチエイジング」という言葉は、化粧品の効能効果として標榜することが認められていないのです。
 
したがって、販売を企図して、「(いわゆる)アンチエイジング化粧品を製造しよう」と考えた場合、実際の販売・広告の場面では、「アンチエイジング」というワードを化粧品の効能効果として標榜することが出来ない、ということを念頭において、製造につき検討すべきかも知れません。
 
このように、化粧品の製造(及び、販売、広告)の場面では、許可が必要であったり各種の規制・制限があったりしますので(輸入についても同様です。)、専門家の協力を得ながら対応していくのが良いでしょう。

健康食品販売業者向け「初回購入」は特商法の制限に注意!

1「初回購入」との表示のある定期購入はトラブルが多い

 ネット通販などで、「初回購入」のみ、〇〇円(通常価格よりも安い金額)と謳って、広告をしているサイトが多く見受けられます。
 上記の「初回購入」のみ〇〇円という広告をしている場合、定期購入契約であることが多く、初回購入分は安かったとしても、2回目分、3回目分は、通常価格(初回購入分よりも相当金額が上がっていることが多いです。)となっていることが多いです。
 しかしながら、一般の方が、契約内容を理解せずに、購入契約をして、後からトラブルとなることがあります。
 このようなトラブルの中で多いのは、①そもそも、定期購入契約であることを理解せずに(初回購入分のみを購入しようと思って、購入をしてしまったというケースや②解約ができると思っていたのに、なかなか解約ができなかったというケースです。
 では、通信販売を取り扱っている会社の立場からして、どのような対応をすれば、トラブルを減らすことができるのでしょうか。

2特定商取引法上の規制

(1)特定商取引法が求める2つの事項

 通信販売に関する規制を規定している法律の一つに、特定商取引法(以下、「特商法」といいます。)があります。そして、特商法14条では、意に反して契約の申し込みをさせようとする行為を禁じています。
 つまりは、一般の方が分からない、あるいは、分かりにくいホームページ上の表示をして、契約の申し込みをさせてはならないということです。
 そして、特商法が求めているのは、大きく分けて2つで、一つは、i.申込内容の確認がきちんとできること、そして、もう一つは、ii.確認ができることを前提として、訂正の機会が設けられていることです。

(2)申込内容の確認(i)

 上記の申込内容の確認がきちんとできることについては、定期購入に関して言えば、申込みの最終段階の画面上において、定期購入契約の主な内容の全てが表示されているといことが必要となります。
 そして、定期購入契約における主な内容は、契約期間(商品の引渡し回数、解約がない限り契約が続く等)、消費者が支払うこととなる金額(各回ごとの商品の代金、送料及び支払総額)及びその他の特別の販売条件(回数の縛りや解約条件等)がある場合にはその内容のことで、この全てが表示されている、又は、容易な操作によって全てを確認できる必要があります。上記1で述べたトラブル(上記①②)に関する記載は、この定期購入契約の主な内容で表示されるべき内容となります。
 ただし、あくまで、特商法は、一般の方目線で考えられるので、定期購入契約における主な内容を全て表示していたとしても、非常に小さなフォントで記載されていたり、ずっと下にスクロールしなければ全ての内容が表示されないといった分かりにくい表示の場合には、上記の定期購入契約における主な内容が表示されたとは評価されません。
 つまりは、特商法14条に違反するという可能性が高くなりますので、注意をしてください。

(3)訂正の機会(ii)

 訂正の機会に関しては、上記の申込内容の確認ができることを前提に、容易に、その内容を訂正できる機会が設けられていることをいいます。
 具体的には、申込内容の確認画面において、「変更」、「取消し」といったボタンがある場合や「修正したい部分があれば、ブラウザの戻るボタンで前のページに戻ってください」などといった案内が表示され、容易に申込内容を訂正できる機会が設けられていることが必要となります。
 訂正の機会においても、申込内容の確認と同様、分かりにくいところにボタンがあったり、ずっと下にスクロールしなければ訂正ができないような場合には、訂正の機会が設けられているとは評価されません。
 この場合も、特商法14条に違反するという可能性が高くなりますので、注意をしてください。もちろん、訂正ボタンがない場合も特商法14条に違反するということになります。

3まとめ

 上記1で述べた一般の方とのトラブル(上記①②)は、特商法14条と関連することが多いです。もちろん、特商法14条の内容を守ることによって、トラブルが全くなくなるわけではありませんが、トラブルが減るということは確実でしょう。
 また、通信販売を取り扱っている会社からすれば、特商法14条に反しないような表示をすることが重要です。仮に、特商法14条に違反した場合、業務停止命令の行政処分を受けることもあり、会社経営上、非常に大きなダメージを受けることもあり得ます。

健康食品販売業者向け「定期購入」は特商法の制限に注意!【令和3年特定商取引法改正】

 健康食品などの通信販売でよく見られる「定期購入」。一度購入をすると、その後は自動的に一定期間ごとに商品が送られてくる契約です。消費者の側からすれば、継続的に利用する商品ならその都度購入する手間が省けるメリットがあり、事業者の側にも、顧客に商品を継続してもらいやすいというメリットがあります。

定期購入でのトラブル

 しかし、定期購入の中には、複数回の定期購入を条件としており、初回を低価格で購入することができる一方で、2回目以降が初回と比較して極めて高い価格での販売となることから、条件とされた定期購入分の支払総額が高額になるものもあります。そして、そのような定期購入の条件を分かりやすく表示していない広告が非常に多くなっています。
 そのため、消費者からは、「勝手に定期購入にされて、思った以上の料金を請求された!」「途中解約できるか分からない!」といった相談が急増しました。

定期購入契約で注意すべき点

 このような事態を避けるため、平成28年改正特定商取引法では、定期購入契約について、EC事業者に、支払総額や契約期間などの販売条件を明記することが義務化されました。
 具体的には、通信販売の広告や、申込みの最終確認画面上に、次の内容を明示することが義務付けられています。

  
・契約期間(商品の引渡しの回数、購入者から解約通知がない限り契約が継続する無期限又は自動更新のある
 契約である場合にはその旨)
・消費者が支払うこととなる金額(各回ごとの商品の代金及び送料並びに支払総額等)
・各回ごとの商品の代金の支払時期及びその他の特別の販売条件(購入者が商品を購入しなければならない
 回数が決められている場合にはその旨及びその回数並びに解約条件等)
・解約条件等の定期購入契約の主な内容に商品の引渡時期が密接に関連する場合は、各回ごとの商品の引渡時期

特商法に違反すると

 消費者庁は、実際に、2019年から2020年にかけて、特定商取引法に違反したとして、美容品や健康食品の販売を行っていた通信販売業者に対し、一部業務停止命令を出しました。この業者は、通販サイト上で、定期購入において2回目以降に引き渡される商品の代金支払時期を表示しておらず、また、定期購入であるという案内を、何度もスクロールしなければ見えない場所に小さく表示していました。
 その他にも、初回注文の際の金額は、分かりやすく大きな文字で表示していた一方で、最低4回の継続購入や、4回購入した場合の金額については、分かりづらい小さな文字で表示していました。

令和3年特定商取引法改正

 さらに、令和3年改正特定商取引法では、通信販売の「詐欺的な定期購入商法」対策を強化しています。具体的には、定期購入でないと誤認させる表示等に対して直罰規定を設けたり、この表示によってなされた申込みについては取消しを認める制度も創設されました。また、通信販売の契約解除の妨害に当たる行為も禁止されています。誤認表示や解除妨害などは、適格消費者団体の差止請求の対象に追加されました。

弁護士にご相談を

 このように、EC業界における特定商取引法に基づく対策は、年々強化されており、違反行為に対する罰則等も厳しくなっていますので、健康食品販売業者の方々も注意が必要です。弊所では通信販売のLPチェックや広告審査サービスを行っていますので、是非一度弁護士と相談されることをお勧め致します。

口コミで悪く書かれた!名誉棄損に当たる?

1 口コミで悪く書かれた!

インターネット社会においては、口コミはときに致命的なダメージを与える可能性を有しています。悪い口コミのせいで客が激減して商売が立ち行かなくなるなんてこともあり得ます。
このように、口コミで悪く書かれた場合、それが名誉棄損に当たるのであれば、口コミの削除請求をするだけでなく、口コミを書き込んだ人物を特定して名誉棄損罪で告訴したり、当該人物に対して損害賠償請求をしたりすることが考えられます。

2 名誉棄損とは

それでは、どのような内容の口コミだと、名誉棄損に当たるのでしょうか。

(1)名誉とは

 一般に、名誉概念というのは、次の3つに分類することができます。
・内部的名誉:客観的にその人の内部に備わっている価値そのもの
・外部的名誉:その人に対する社会的評価
・名誉感情:自分自身の有する価値に対する評価
そして、「人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価」である「名誉」を違法に侵害された場合に損害賠償請求等が可能であるというのが確立した判例の考え方ですので(最大判昭61・6・11民集40・4・872、北方ジャーナル事件判決)、名誉棄損という場合の「名誉」というのは、外部的名誉を指すということになります。

(2)名誉棄損とは

 上記のとおり、「名誉」=外部的名誉なので、「名誉棄損」というのは、端的にいえば、「社会的評価を低下させる」ということになります。
それでは、どういうときに社会的評価を低下させたと判断するのかどうかというと、「一般読者の普通の注意と読み方を基準」として判断するというのが裁判所の考え方です(最判昭31・7・20民集10・8・1059)。
そこで、ある口コミが「名誉棄損」に当たるかどうかについては、その口コミがどのような事実を適示しているのか、その意味内容が社会的評価を低下させるものかどうかを「一般読者の普通の注意と読み方」を基準に判断するということになります。

(3)違法性・責任が阻却される場合

 仮に口コミの内容が社会的評価を低下させるものであったとしても、以下の要件を全て満たす場合には、違法性が阻却されます。
①公共の利害に関する事実にかかわること(公共性)
②専ら公益を図る目的であること(公益目的)
③適示された事実が真実であること(真実性)
また、③については、仮に適示された事実が真実ではなかったとしても、真実であると信じるについて相当な理由がある場合には(真実相当性)、故意・過失が阻却されます。

(4)小括

 以上のとおり、口コミで悪く書かれた場合、それがあなたの社会的評価を低下させるような内容である場合、公共性・公益目的・真実性又は真実相当性の要件を満たすものでなければ、名誉棄損に当たることになります。

3 適切な対処を

 口コミというのは閲覧者に対する影響力が強く、悪く書かれてしまうと、顧客の減少につながるだけでなく、最悪の場合、業務の継続が不可能になるほどの打撃を受ける可能性もあります。
悪い口コミを書かれてしまった場合には、経験豊富な弁護士に相談し、適切に対処することをおすすめいたします。

健康器具の広告・販売で注意すべき薬機法の根拠とは?

1 健康器具の広告

 健康器具というと、ウォーキングマシンやステッパーなどの運動器具から、マッサージ器具まで色々なものがありますよね。製品を広告する側としては、これらの器具を使うことによる健康効果を謳いたいと考えるのは当然ですが、なんでも自由に広告できるわけではありません。そこで、今回は健康器具の広告を行う際に注意すべき薬機法の規制についてご紹介します。
 

2 薬機法68条

 薬機法68条は、未承認の医療機器について、効能効果等を広告することを禁止しています。
 ここでいう医療機器とは、以下の①又は②が目的とされている機械器具等で、政令で定めるものをいいます(薬機法2条4項)。
 
①疾病の診断、治療又は予防に使用されること
②身体の構造又は機能に影響を及ぼすこと
 

 したがって、薬機法に基づく承認を取得していない健康器具について、上記①又は②に該当するような効能効果を標榜することは禁止されることになります。
 

3 具体例

(1)筋肉運動補助器具

 ウォーキングマシンやステッパー、エアロバイクや腹筋ローラーなど、筋肉の運動のみを目的としている器具については、基本的には医療機器には該当しませんので、運動マシンとしての効果を謳う分には、薬機法の問題は生じません。
 ただし、運動マシンとしてだけでなく、振動を利用して肩や腰のコリをほぐしたり、運動後の筋肉の疲れを和らげたりするなどの効果を謳うと、医療機器であるマッサージ器具の効能効果に該当し得るため、薬機法に抵触するおそれがあります。

(2)マッサージ器具

 電動式で、「マッサージ効果等」を謳っているものについては、医療機器に該当し得るため、承認を得ていなければ、効能効果を謳うことはできません。
 ただし、単にモーターで振動する“おもちゃ”(グッズ)については、医療機器には該当しないと解されています。
 足踏み健康器具や指圧代用器のように、単に突起物やてこ等を応用して背筋等に当てて指圧する器具類(電動式のものを除く。)については、次の範囲内の効能効果のみを謳う場合には、医療機器に該当しないとされています(昭和45年12月15日薬発第1136号)。
①あんま、指圧の代用(読みかえはしない。)
②健康によい
③血行をよくする
④筋肉の疲れをとる
⑤筋肉のこりをほぐす

 

4 総括

 以上のとおり、健康器具については、薬機法68条に抵触しないように気を付ける必要がありますが、健康器具の種類によって、広告可能な表現には差があります。広告しようとする製品に応じて、適切な表現を確認するようにしましょう。

 

「医療機器」か「健康器具」かに迷ったら是非相談を


 
取扱商品が「医療機器」に該当するかどうか相談したい、というご相談が多くなってきております。
近年では海外から健康器具や美容機器を輸入しようとしているが、税関で止まってしまうか心配、もしくは止められてしまったのでどうすればいいか分からないというご相談内容です。
 

医療機器かどうかはあくまでも「行政が判断するもの」ですので、弊所で判断することはできかねますが、「あらかじめどこに確認すればよいのか」や、医療機器と判断されないために「どのような広告表現で商品を宣伝するのか」をアドバイスさせて頂いております。
輸入ができても、医療機器のような効果効能を広告すると薬機法違反となりますので、最後まで注意が必要です。
 
ご不安な点がございましたら、美容健康業界に詳しい丸の内ソレイユ法律事務所へ是非ご相談下さい。
美容機器に詳しい弁護士が貴社のビジネスに対してアドバイスさせて頂きます。
 

医療機器該当性コンサルティング

【ご相談できること】
貴社の商品、ホームページを拝見し、医療機器に該当する危険性やビジネスリスク等をアドバイスさせて頂きます。
※あくまでも判断は行政が行うものになりますので、申請するためのアドバイスとなります。
 

・確認すべき行政機関
・ビジネスにおけるリスク度
・医療機器と判断されやすい取扱説明書や広告の表現に対するアドバイス

 

【こんな方におすすめ】
・これから美容機器(脱毛器・痩身器・マッサージ器・フィットネス機器など)輸入ビジネスを検討されている方
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【弊所にご相談にいらっしゃる方】
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・薬事審査・法務担当者様
・個人でネットビジネスを始めようとしている方
 

【ご相談料】
30分/11,000円(※初回から料金が発生いたします)
ZOOMでのオンライン相談も可能です。
 

>>お問い合わせフォームはこちら(URLや商品情報も送信可能)
※美容機器の広告表現のみのご相談は初回30分無料です

 

 

訪問販売における特商法上の注意点

1 訪問販売について

(1)どんな販売形態か
 特商法は、訪問販売を次の2類型に分けて規定しています。
 ①販売業者又は役務提供事業者が、営業所等以外の場所で商品若しくは権利の販売又は役務の提供を行う場合
 ②販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者等に商品若しくは権利の販売又は役務の提供を行う場合

 訪問販売については、例えば消費者の自宅など、営業所等以外の場所で販売等を行う場合(①)のイメージが強いと思います。しかしながら、①だけだと営業所等以外で顧客を誘引したものの、契約の意思表示が営業所等でなされた場合(いわゆるキャッチセールスやアポイントメントセールス)が規制対象に入らないため、②が規定されています。

(2)特定権利ってなに?
 特定権利とは、以下のものをいいます。
 ①施設を利用したり、役務の提供を受ける権利のうち、国民の日常生活に関する取引において販売されるものであって以下に当たるもの
  一 保養のための施設又はスポーツ施設を利用する権利
    例:ゴルフ会員権、スポーツ会員権
  二 映画、演劇、音楽、スポーツ、写真又は絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞し、又は観覧する権利
    例:映画チケット、スポーツ観覧チケット
  三 語学の教授を受ける権利
    例:英会話サロン利用権
 ②社債その他の金銭債権
 ③株式会社の株式、合同会社、合名会社若しくは合資会社の社員の持分若しくはその他の社団法人の社員権又は外国法人の社員権でこれらの権利の性質を有するもの

(3)特商法の適用がないケース
 事業者間取引の場合、海外にいる顧客に対する契約の場合や従業員に対して行った販売又は役務の提供の場合など、特商法の規定が適用されないケースがあります。

2 訪問販売する際に注意が必要なことを弁護士が解説

 訪問販売を行う場合には、以下の規制に従う必要があります。
 違反すると業務停止命令や業務禁止命令の行政処分や、罰則の対象となりますので注意が必要です。

(1)事業者の氏名等の明示
 勧誘に先立って、消費者に対して以下を告げなければなりません。
 ・事業者の氏名(名称)
 ・契約の締結について勧誘をする目的であること
 ・販売しようとする商品(権利、役務)の種類

(2)再勧誘の禁止
 勧誘に先立って消費者に勧誘を受ける意思があることを確認するよう努めなければならず、消費者が契約締結の意思がないことを示したときには、そのまま勧誘を継続することやその後改めて勧誘することは禁止されています。

(3)書面の交付
 契約の申込みを受けたときや契約を結んだときには、法定の事項を記載した書面を消費者に渡す必要があります。記載事項のうち、特にクーリング・オフの事項等は赤枠の中に赤字で記載する必要があります。書面の字の大きさは8ポイント以上であることが必要です。

(4)禁止されている行為
 訪問販売において事実と違うことを告げることや故意に事実を告げないこと、相手を威迫して困惑させること等は禁止されています。

(5)その他
 上記のほか、債務の履行拒否・不当遅延や訪問販売の際の過量販売、迷惑な勧誘、つきまとい行為等については行政処分が課せられる場合があります。

3 クーリング・オフ等について

 訪問販売によって契約に至った場合でも、契約書面の受領から8日以内であれば、消費者はクーリング・オフをすることができます。なお、事業者が、クーリング・オフに関する事項につき事実と違うことを告げたり、威迫したりすることによって、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合には、上記期間経過後もクーリング・オフが可能です。
 また、事業者が上記2(4)の禁止行為に違反し、消費者が誤認をして契約をした場合には、消費者が契約に関する意思表示を取り消しできる場合があります。
 せっかく獲得した顧客から契約解除等されないように、きちんと特商法で定められたルールを守って契約締結に至ることが必要です。

EMSは薬機法の規制があるか?使える広告表現とは

EMSは、身につけると筋肉に電気刺激を与える機器です。多くの製品は、美容や健康を目的として販売されており、「つけるだけで痩せる!」などのうたい文句を見かけることもあります。しかし、EMSなどの「筋肉運動補助器具」は、医薬品医療機器等法(以下「薬機法」といいます。)という法律においては、あくまでも「雑貨」であって「医療機器」ではありません。そのため、EMSを広告する際には、医療機器の定義に触れる表現を用いないよう注意する必要があります。
 

医療機器とは

「医療機器」とは、薬機法上、人の「疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること」や、「身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすこと」が目的とされている機械器具等と定義されています。そうすると、EMSの広告において、たとえば「おなかのぜい肉がスッキリ!」「脂肪を燃やしてウエストを細くする」「つけるだけで痩せる!」などといった表現は、「身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすこと」を目的とする機器に該当するため、薬機法上はNGと判断されてしまうことになります。「筋肉を鍛える」「トレーニングする」など、あくまでも運動を補助する範囲内で事実を述べる表現であれば、使用可能とされています。
 

EMSは医療機器?

なお、EMSのような電動式の雑貨の場合、その作用からつい「マッサージ効果」を表現したくなることもあります。しかし、「マッサージ」という表現も、体をほぐしたりすることを意味するので、身体の構造や機能に影響を及ぼすことを意味するもので、医療機器の定義に触れてしまいます。したがって、医療機器として承認されていない以上、「強い振動でコリをほぐす」「マッサージ効果が期待できる」などの表現も、薬機法上NGとなります。
 

EMSの違反例

ちなみに、最近、あるテレビショッピングで放送されていたEMS製品を販売する会社が、薬機法ではなく、景表法違反で措置命令を受けました。
具体的には、
「今回御紹介するアイテムを使えば、寸胴ボディもたった3週間でこんなすっきりくびれボディに」、
「下腹部がなんとマイナス8.5センチ」
「使用前81.0cm」、「3週間使用後72.5cm」、「下腹部-8.5cm」
などと宣言していたことについて、
「電気刺激によって腹部の筋肉が鍛えられることにより、特段の食事制限や激しい運動をすることなく、1日20分間の使用を3週間継続することで腹部の痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた」
との指摘を受けました。
この会社、宣伝中に「効果には個人差があります」「食事摂取に気を配り軽微な運動を併せて行った結果です」などの打消し表示もしていましたが、これでも不十分だと判断されました。今回は景表法違反という結果になりましたが、これらの表現は薬機法上も違反しており、注意が必要です。
 

「雑品」か「医療機器」かに迷ったら是非相談を


取扱商品が「医療機器」に該当するかどうか相談したい、というご相談が多くなってきております。
近年では海外から美容健康機器を輸入しようとしているが、税関で止まってしまうか心配、もしくは止められてしまったのでどうすればいいか分からないというご相談内容です。
 

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輸入ができても、医療機器のような効果効能を広告すると薬機法違反となりますので、最後まで注意が必要です。
 
ご不安な点がございましたら、美容健康業界に詳しい丸の内ソレイユ法律事務所へ是非ご相談下さい。
美容健康機器に詳しい弁護士が貴社のビジネスに対してアドバイスさせて頂きます。
 

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30分/11,000円(※初回から料金が発生いたします)
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健康食品の表示・広告の見方と違反事例

1 「保健機能食品制度」について

「健康食品」と呼ばれるものについて、法律上の定義はなく、広く健康の維持、増進に役立つ食品として販売、利用されているもの全般を指します。もっとも、消費者が自らの判断で安心して健康食品を選択できるようにするためには、その成分や効能が正しく表示され、適切な情報が提供されることが不可欠です。
そこで、国の制度として「保健機能食品制度」が設けられ、いわゆる健康食品のうち、有効性や安全性について国が定める一定の基準を満たす食品については、特定の保健機能を持つ「保健機能食品」として表示することが認められています。また、国の定めた栄養成分については、一定の基準を満たす場合に、その栄養成分の機能を表示することができます。

2 保健機能食品の種類と表示

食品の機能性の表示が認められている保健機能食品には、機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品、の3種類があります。なお、一般食品及び保健機能食品に当たらない健康食品では、機能性の表示は認められません。

(1)機能性表示食品
販売前に、国への届出が必要です。
また、表示の対象になる成分は、体の中で成分がどのように働いているか、という仕組みが明らかになっている成分ですが、栄養成分は除かれます。
機能性の表示としては、健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表示することができます。ただし、疾病リスクの低減に資する旨の表示はできません。
(例)Aが含まれ、Bの機能があることが報告されています。

(2)栄養機能食品について
販売にあたっては、自己認証で足り、国への届出は不要です。
また、表示の対象になる成分は、ビタミン13種類、ミネラル6種類、脂肪酸1種類です。
機能性の表示としては、栄養成分の機能を表示することができ、国が定める定型文が用いられます。
(例)カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

(3)特定保健用食品
販売にあたっては、国による個別許可が必要です。
また、表示の対象になる成分は、体の中で成分がどのように働いているか、という仕組みが明らかになっている成分です。
機能性の表示としては、健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表示することができ、疾病リスクの低減に資する旨の表示も可能です。また、いわゆる「トクホ」マークを表示できるのも、機能性表示食品、栄養機能商品との大きな違いです。
(例)糖の吸収を穏やかにします。

3 保健機能食品の表示の見方

保健機能食品を購入する際には、キャッチコピーのみならず、パッケージの表示をしっかり確認してその機能を正しく理解することが必要です。機能性が表示されていれている食品のパッケージ上の主な記載内容は、以下とおりです。

①機能性表示食品、栄養機能食品又は特定保健用食品である旨
②機能性の内容
③1日当たりの接種目安良
④摂取する上での注意事項

4 健康食品の広告制限

健康食品の広告を規制する主な法規としては、薬機法、健康増進法、景品表示法があり、保健機能食品であっても、その他の健康食品と同様の規制を受けます。

(1)薬機法による規制
健康食品は医薬品ではありませんので、医薬品と混同されないような表示をしなければなりません。商品本体やパッケージはもちろん、チラシ、DM、CMといった媒体を問わず、全ての広告において医薬品であるかのような誤解を与える表示はできません。例えば、「便秘が治る」、「アトピー性皮膚炎が治る」というように、特定の疾患や症状名を出して効能効果をうたうことはできません。

(2)健康増進法による規制
健康増進法の目的は、国民の健康を増進することにあるため、国民が不適切な広告により健康被害を被ることがないよう、虚偽・誇大広告を禁止しています。例えば、「医者に行かなくてもがんが治る」という表現は、医師による診断、治療がなくてもがんが治るような誤解を与え、適切な治療を受ける機会を逸し、かえって病気を悪化させるおそれさえあり、許されません。

(3)景品表示法による規制
景品表示法上の優良誤認表示、有利誤認表示その他誤認されるおそれのある表示に該当する広告も禁止されます。例えば、「史上最高のダイエット食品」という表示は、ダイエット効果には個人差があり、全ての製品の中で最高に効果があることを立証するのは一般的には極めて困難であることから、このような表示は誤認を与えるものとして許されません。

化粧品等の肌への浸透表現について

化粧品等の広告を作成するにあたって、ぐんぐんと肌の奥深くまで成分が浸透することを示して、化粧品等の効果が実によく発揮されるというイメージを消費者に印象付けたいということは多いと思います。
しかしながら、肌への浸透に関する表現については、必ずしも無制限に表現できるものではありませんので、その点に注意しなければなりません。

 

1 化粧品における浸透表現について

(1)まず、化粧品については、化粧品等の適正広告ガイドラインにおいて、浸透といった表現は、化粧品の効能効果が確実に発生するかのような暗示や効能効果の範囲を超える効果を暗示するおそれがあるため、原則として記載しないこととされています。

例外的に認められているのは、化粧品の作用する範囲が角質層までであることが明記され、かつ、効能効果を保証したり、効能効果の範囲を逸脱したりするものではない場合です。
上記はあくまでガイドラインによる規制であり、違反したからといって直ちに薬機法違反になるものではありませんが、浸透等の表現によって肌の深部への影響を暗示すれば、やはり薬機法上違反となるおそれがあります。
 
(2)では、具体的にどういった表現であればリスクが小さいかというと、例えば、「角質層まで浸透する」「肌に浸透※※角質層まで」といった表現であれば、作用部分が角質層に限定されていることが明らかであり、効能効果の範囲を超えないものと考えられます。
「※角質層」と注記をしておけば、リスクがないのだと思われるかもしれませんが、そうではありません。

たとえば、「肌の奥深く※※角質層」といった表現については、角質層に限らず、真皮部分等も含め、肌の奥深くに作用する効果を暗示してしまい、医薬品的効能効果を暗示するおそれがあります。このように医薬品的効能効果を暗示することとなれば、ガイドラインとの関係だけでなく、薬機法違反となるリスクが出て来ます。
 
(3)また、見落としがちなのが、アニメーションによる浸透表現です。
たとえば、化粧品の成分が浸透していく様子を皮膚のアニメーションと成分を表す矢印等で示すものです。

これは浸透表現以外にも言えることですが、広告表現は個々の文章表現だけでなく広告全体の印象から法令違反の内容を暗示することも認められませんので、当然アニメーション部分で化粧品の効能効果の範囲を超えた効果を暗示してはいけません。

したがって、そういったアニメーションの場合にも、作用範囲が角質層部分までであることを明示するのが望ましいと言えます。
 

2 医薬部外品における肌への浸透表現について

一方で、医薬部外品の場合、事実に基づき承認を得た効能効果の範囲であれば、肌の真皮への作用を訴求することができます。

医薬部外品の場合、有効成分の作用機序について承認を得ており、その範囲で広告をすることが認められているので、承認を受けた際に真皮への作用があることが作用機序として認められている場合には、当該真皮部分への作用にも言及することができます。

もっとも、これは有効成分についての話であるため、有効成分以外の成分については、同様には考えられないことに注意が必要です。
 

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景品表示法とアフィリエイト広告

 アフィリエイト広告という言葉を耳にすることがあるかと思います。アフィリエイト広告とは、インターネットにおける「成果報酬型の広告」であり、ある商品を売りたいと考えた企業が、自ら広告を出すのではなく、アフィリエイト・サービス・プロバイダ(以下、「ASP」といいます)に対して、広告の出稿を依頼し、ASPがアフィリエイター(アフィリエイト広告を作成して報酬を得ている人)に依頼して広告を出すというものです。

アフィリエイト広告にも規制が始まりました

 商品の販売数や広告がクリックされた数に応じて報酬額が決まるため、アフィリエイターは、顧客の目を引くために、ついつい虚偽・誇大広告やその他の法律に抵触した広告を作ってしまうという現象が起きてしまい、社会問題化されておりました。
 特に、事実と異なる表示を規制する法律として、景品表示法があります。しかし、同法の規制の対象が、商品を販売したりサービスを提供したりする企業に限定されており、このような広告を作成するASPやアフィリエイターは対象外であるために、これまでアフィリエイト広告については措置命令が出ておりませんでした。
 しかし、2016年6月30日に消費者庁が公表した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」において、アフィリエイト広告についても景品表示法の規制を受ける可能性があることが示されました。その公表資料によると、「アフィリエイトサイト上の表示についても、広告主がその表示内容の決定に関与している場合(アフィリエイターに表示内容の決定を委ねている場合を含む。)には、広告主は景品表示法及び健康増進法上の措置を受けるべき事業者に当たる。」として、ASPやアフィリエイターを利用している企業が、景品表示法の規制を受けるということが明示されました。
 そこからしばらく経ち、2021年3月3日、消費者庁が初めてアフィリエイト広告について、景品表示法違反で措置命令が出されました(商品は育毛剤でした。)。
 公表された違反命令の概要を見ても、広告主はASPを通じて、「本件商品に係る本件アフィリエイトサイトの表示内容を自ら決定している」と当然に認定されて、その詳細な理由は示されておりません。一部報道にも出ておりますが、消費者庁表示対策課は、アフィリエイト広告について特別扱いをするつもりはなく、広告代理店に委託して新聞広告を出す場合と同様だと考えているとの話もあるようです。

アフィリエイト広告で注意すべきこと

 アフィリエイト広告について責任追及されないためにも、広告主側は次の点について改めて注意する必要があります。広告主がその広告の表示内容を自ら決定していると認定される場面は、大きく二つあります。
 ①アフィリエイター(又はASP)と一緒に広告を作成した場合と②広告内容をアフィリエイター(又はASP)に委ねている場合です。これらに該当しないための広告主側の対策としては、法令遵守のガイドラインを交付したり、違反広告を誘発するような素材を提供しない、適宜違法なアフィリエイト広告の取下げを求めたり、といったことが考えられます。
 ちなみに、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「薬機法」といいます。)についても、アフィリエイト広告で摘発事例があります。2020年7月20日、「肝臓疾患の予防に効果がある」と表示したサプリメントのアフィリエイト広告を作成した容疑で、大阪府で逮捕者が出ました。逮捕されたのが、アフィリエイト広告を依頼した広告主だけでなく、広告代理店の従業員も含まれているという点も業界の関心を高めております。
 ちなみに、薬機法の虚偽誇大広告について、2021年8月から措置命令及び課徴金制度が実施されることとなっており、今後、景品表示法と同じように摘発事例が増えていくことが予想されるところです。
 アフィリエイト広告は、費用対効果から利用している企業が増えているところですが、思わぬ形で摘発されてしまうかもしれません。自らが作成した広告でないとしても、規制の抵触に留意しなくてはならないということを肝に銘じていただければと思います。