販売・広告に関するQ&A

EMSは薬機法の規制があるか?使える広告表現とは

2021.7.14
このエントリーをはてなブックマークに追加

EMSは、身につけると筋肉に電気刺激を与える機器です。多くの製品は、美容や健康を目的として販売されており、「つけるだけで痩せる!」などのうたい文句を見かけることもあります。しかし、EMSなどの「筋肉運動補助器具」は、医薬品医療機器等法(以下「薬機法」といいます。)という法律においては、あくまでも「雑貨」であって「医療機器」ではありません。そのため、EMSを広告する際には、医療機器の定義に触れる表現を用いないよう注意する必要があります。
 

医療機器とは

「医療機器」とは、薬機法上、人の「疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること」や、「身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすこと」が目的とされている機械器具等と定義されています。そうすると、EMSの広告において、たとえば「おなかのぜい肉がスッキリ!」「脂肪を燃やしてウエストを細くする」「つけるだけで痩せる!」などといった表現は、「身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすこと」を目的とする機器に該当するため、薬機法上はNGと判断されてしまうことになります。「筋肉を鍛える」「トレーニングする」など、あくまでも運動を補助する範囲内で事実を述べる表現であれば、使用可能とされています。
 

EMSは医療機器?

なお、EMSのような電動式の雑貨の場合、その作用からつい「マッサージ効果」を表現したくなることもあります。しかし、「マッサージ」という表現も、体をほぐしたりすることを意味するので、身体の構造や機能に影響を及ぼすことを意味するもので、医療機器の定義に触れてしまいます。したがって、医療機器として承認されていない以上、「強い振動でコリをほぐす」「マッサージ効果が期待できる」などの表現も、薬機法上NGとなります。
 

EMSの違反例

ちなみに、最近、あるテレビショッピングで放送されていたEMS製品を販売する会社が、薬機法ではなく、景表法違反で措置命令を受けました。
具体的には、
「今回御紹介するアイテムを使えば、寸胴ボディもたった3週間でこんなすっきりくびれボディに」、
「下腹部がなんとマイナス8.5センチ」
「使用前81.0cm」、「3週間使用後72.5cm」、「下腹部-8.5cm」
などと宣言していたことについて、
「電気刺激によって腹部の筋肉が鍛えられることにより、特段の食事制限や激しい運動をすることなく、1日20分間の使用を3週間継続することで腹部の痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた」
との指摘を受けました。
この会社、宣伝中に「効果には個人差があります」「食事摂取に気を配り軽微な運動を併せて行った結果です」などの打消し表示もしていましたが、これでも不十分だと判断されました。今回は景表法違反という結果になりましたが、これらの表現は薬機法上も違反しており、注意が必要です。
 

「雑品」か「医療機器」かに迷ったら是非相談を


取扱商品が「医療機器」に該当するかどうか相談したい、というご相談が多くなってきております。
近年では海外から美容健康機器を輸入しようとしているが、税関で止まってしまうか心配、もしくは止められてしまったのでどうすればいいか分からないというご相談内容です。
 

医療機器かどうかはあくまでも「行政が判断するもの」ですので、弊所で判断することはできかねますが、「あらかじめどこに確認すればよいのか」や、医療機器と判断されないために「どのような広告表現で商品を宣伝するのか」をアドバイスさせて頂いております。
輸入ができても、医療機器のような効果効能を広告すると薬機法違反となりますので、最後まで注意が必要です。
 
ご不安な点がございましたら、美容健康業界に詳しい丸の内ソレイユ法律事務所へ是非ご相談下さい。
美容健康機器に詳しい弁護士が貴社のビジネスに対してアドバイスさせて頂きます。
 

医療機器該当性コンサルティング

【ご相談できること】
貴社の商品、ホームページを拝見し、医療機器に該当する危険性やビジネスリスク等をアドバイスさせて頂きます。
※あくまでも判断は行政が行うものになりますので、申請するためのアドバイスとなります。
 

・確認すべき行政機関
・ビジネスにおけるリスク度
・医療機器と判断されやすい取扱説明書や広告の表現に対するアドバイス
 

【こんな方におすすめ】
・これから美容機器(脱毛器・痩身器・マッサージ器・フィットネス機器など)輸入ビジネスを検討されている方
・取り扱いを始める美容機器が医療機器と判断されるか心配な方
・どこの行政機関にお墨付きをもらえば安全に輸入ができるか知りたい方
・Amazon・楽天・Yahoo等のショッピングモールに出品登録した際に医療機器ではないかと指摘された方
・大手百貨店・ショッピングセンターに出店・出品する際に医療機器ではないかと指摘された方
・社内関係各所を説得したい方
・とにかく安全に美容機器輸入ビジネスを始めたい方
 

【弊所にご相談にいらっしゃる方】
・中小企業の経営者様
・大手メーカーの商品企画ご担当者様
・薬事審査・法務担当者様
・個人でネットビジネスを始めようとしている方
 

【ご相談料】
30分/11,000円(※初回から料金が発生いたします)
ZOOMでのオンライン相談も可能です。
 

>>お問い合わせフォームはこちら(URLや商品情報も送信可能)
※美容機器の広告表現のみのご相談は初回30分無料です

 

The following two tabs change content below.

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

美容広告専門チームは、美容業界と広告に精通した弁護士集団として、高い専門性を持ち、多くの企業の顧問弁護士を務めている。美容や広告に関するセミナーでの講演依頼を多数受け、新聞をはじめとしたメディアからも数多くの取材を受ける。

販売・広告に関する最新記事

【令和6年4月】特定商取引法違反の通信販売業者 株式会社オルリンクス製薬に対する業務停止命令等の発令について 
【令和6年3月】東京都から株式会社ヘルスアップ、株式会社ニコリオに対して景品表示法に基づく措置命令が出されたことについて弁護士が解説
【令和6年3月】株式会社バウムクーヘンに対する景品表示法に基づく課徴金命令について解説 
【令和6年3月】初の特商法12条(誇大広告)違反の事例(ナンバー1表示) 
【令和6年3月】「車両用クレベリン」と称する役務の提供事業者10社に対し景表法に基づく措置命令
pageTop