- 2022.6.17
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消費者庁は、6月15日、株式会社PMKメディカルラボに対し、同社が供給する豊胸施術に係る役務及び痩身施術に係る役務の2役務の取引に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。
問題となった表示方法
「あの楽天リサーチで2冠達成★バスト豊胸&痩身部門で第1位!」、「バストアップ第1位 施術満足度」、「ボディ瘦身第1位 施術満足度」等との表示することにより、あたかも、楽天インサイト株式会社が実施したPMKメディカルラボが提供するような同種のサービスを利用した者に対する施術満足度の調査の結果において、PMKメディカルラボの施術満足度が第1位であるかのように示す表示をしていました。
今回の問題点
今回の楽天インサイト株式会社が実施した調査は、PMKメディカルラボが提供しているサービスなどの利用者に対する調査でありませんでした。報道によれば、バストアップなど女性に対するサービスのようにうたいながら、アンケートを実施した約4分の3が男性で、同種のサービスを受けたことはなかったとのことです。そのため実際は、PMKメディカルラボの施術満足度の順位は1位ではなく、実際のものよりも著しく優良であると示すも広告に該当し、景品表示法違反となりました。
No.1表示が違法にならないための要件
No.1表示が不当表示とならないためには、①表示の内容が客観的な調査に基づいている②調査結果を正確かつ適正に引用している―いずれも満たす必要があります。
それぞれを説明しますと、①表示の内容について、客観的な調査といえるためには、当該調査が関連する学術界又は産業界において一般的に認められた方法又は関連分野の専門家多数が認める方法によって実施されていること又は社会通念上及び経験則上妥当と認められる方法で実施されていることが必要とされています。
②の調査結果の正確かつ適正な引用については、誰を対象として、どのような回答をしたのかなどのデータは正確かつ適正に引用することが必要です。
以上のことから、広告内において、その証拠となる調査を行った調査会社や調査期間、調査対象などを記すことが求められるでしょう。
弁護士コメント
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所で美容広告などの審査を担当している福永敬亮弁護士は、報道されたものを見る限りと前置きしたうえで、次のように解説します。
企業が、商品・サービスを訴求する際に、広告でうたいがちなものに、
「売上ナンバーワン」「顧客満足度 〇〇パーセント」
「ベストセラー」「人気ナンバーワン」
などの表現があります。こうした表現は短く、キャッチーで目に止まりやすいので、消費者に対する訴求力もあります。
しかしながら、こうした表現をするためには、前述のような要件を満たすことが求められます。企業の皆様はくれぐれも気を付けるようにしてください。
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム
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