- 2016.4.14
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- 2016年4月1日以降、景品表示法に違反した表示をした場合、売上げの3%分の課徴金を課される可能性があります。売上げの3%もの課徴金を支払わなければならないとなると、場合によっては、経営が大きく悪化することになります。
この記事は、事業者の皆様が多額の課徴金を課されることがないよう、新たに作られた景品表示法の課徴金制度をご説明することを目的としています。
なお、この記事は、立法作業に携わった経験のある元法務官僚であり、外資系企業において実際に広告審査に従事した経験のある弁護士により作成されておりますので、内容の正確性、適切性につきましては、他のサイトの追随を許さないクオリティになっているものと自負しています。
いったい何をしたらいけないの? その1~優良誤認~
してはいけない表示とは、いったいどのようなものなのでしょう。
- 「アミノ酸一般食酢の120倍の黒酢でダイエットサポート!」
- 「『黒酢』に含まれたアミノ酸のメラメラパワー!」
- 「不足していたのはメラメラ力だったんですね・・・」
- 「人より効果が出にくい私。最初からアミノ酸を使ってたら・・・」
- 「タンスの奥のジーンズが出せた!」
- 「運動量は変わらないのに遂に出産前のスタイルに!」
これらの表示が問題視され、2016年3月30日、九州の食品会社に措置命令が行われました。消費者庁は、これらの表示はあたかも対象商品を摂取するだけで特段の食事制限をすることなく容易に著しい痩身効果が得られるかのように示すものであり、景品表示法が禁止する「優良誤認」に当たると判断しました。
問題とされる表示が行われたのは、課徴金制度ができる前ですから、このケースでは課徴金の支払いは問題となりませんが、今後、同じようなケースが生じた場合、課徴金の支払いが必要になる可能性があります。
ここで問題とされた優良誤認表示とは、商品の品質が実際よりもとてもいいものであるとお客様に勘違いされる表示をいいます。このような表示をホームページ、商品のパッケージ、広告等に表示をすると、今後、課徴金を課せられるリスクがあるわけです。
しかし、この表示ですが、どれを見ても「商品を摂取するだけで・・・痩身効果が得られる。」とは書いていないですよね。
「タンスの奥のジーンズが出せた!」は、奥にしまいこまれていたジーンズを取り出せたというだけで、それがはけるかどうかは直接的には書いてありませんし、「運動量は変わらないのに遂に出産前のスタイルに!」も、もしかしたら出産前のほうが体重が重かったのかもしれません。しかし、これらの表示を全体として見ると、暗にやせるかのような印象をお客様に与えてしまうことは否めません。
ただ、法的にまったく問題ないような記載では、お客様へのアピールが難しいのも事実です。当法律事務所では、ビジネスの観点から、広告の表現方法を提案するコンサルタントとも提携しておりますし、企業やビジネスの現場を経験している弁護士も所属しており、他の法律事務所とはすこし違った観点からのご助言ができるものと思います。

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

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