- 2016.8.25
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この記事をごらんの皆さんの中には、優良誤認や有利誤認のところで「著しく」という言葉に疑問をもった方がいらっしゃるかもしれません。
実際のものより「著しく優良であると示す表示」が不当表示として禁止されるなら、「著しく」なければ不当表示にならないのではないかと思われた方、実はそのとおりなのです。
広告、宣伝には、多少なりとも誇張・誇大が含まれるのはむしろ当然であり、事実だけを伝えていては広告、宣伝の効果は上がりません。そこで、誇張の程度が「著しい」場合に限って、これを禁止しているのが景表法なのです。
それでは、「著しい」かどうかはどのように判断すればよいのでしょう。
この点について、明確な基準があるわけではありません。
例えば、優良誤認の記事であげた「走行距離1万kmと表示していたが、実は走行距離15万km」の例についてですが、走行距離を15分の1にしているわけですから、社会常識から考えて、これは「著しく」優良であると示す表示をしたといえるでしょう。しかし、これが「走行距離14万9999kmと表示していたが、実は走行距離15万km」だったら、「著しく」優良であると示す表示をしたとはいえないのではないでしょうか。それでは、走行距離の表示を1万3000kmにしたらどうか、1万kmにしたらどうかと考えていくと、やはりある時点から、「著しく」優良であると示す表示をしたと評価されることになると思います。ただ、それがどこなのかを一律に示すことは困難であり、「著しい」かどうかは、社会通念にしたがってケースごとに判断していくほかないように思われます。

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

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