- 2016.2.19
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- 近年ではインターネットの技術が発達し情報にも満ち溢れ、消費者はECサイトなどによる通販システムで簡単に化粧品などが購入できる時代になりました。もちろん、使い方を詳しく教えてもらえるなど対面式販売のメリットはたくさんありますが、既に知っている商品でリピートしているなどであれば、わざわざ店舗に足を運ばなくてもパソコンやスマホでワンクリックすればすぐに自宅まで届けてくれるインターネット通販はとても便利です。
そうしたインターネット通販の特性を生かして「定期便」や「自動発送」など、消費者が毎回意図的に購入しなくても一度申し込めばやめるまで自動で配送してくれるシステムやサービスの形も多くなっています。
そこで今回はインターネット通販を行う際に事業主側が気をつけておきたい法律をご紹介したいと思います。
インターネット通販はクーリングオフがいつでもできる?
特定商取引法においてインターネット通販は、「通信販売」という取引類型に分類されています。通信販売とは、新聞、雑誌、インターネット等で広告し、ECサイトや郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のことです。
特定商取引法の他の取引類型、例えばエステティックサービスにはクーリングオフが認められていますが、通信販売にはありません。
そもそもクーリングオフという概念が存在しないのです。
では冒頭で述べたように、定期便や自動配送など消費者と事業主側とで長期に渡る取引が行われているのに、クーリングオフが適用にならないとはどのようなことでしょうか。
消費者が途中で解約できないわけではありません
通信販売はクーリングオフという概念ではなく、「契約の申込みの撤回または契約の解除」という法第15条の2という法律が存在します。
法第15条の2では、「通信販売により消費者が契約を申し込んだり契約をしたりした場合でも、その契約にかかる商品の引渡し(指定権利の移転)を受けた日から数えて8日間以内であれば、消費者は事業者に対して契約申込みの撤回や解除ができ消費者の送料負担で返品ができる」と定めています。
ただし、事業主側が広告やホームページなどであらかじめこの契約申込みの撤回や解除につき特約を提示しており、それを消費者が合意していた場合は「特約による」ともされています。
定期便や自動配送などで消費者とのトラブルを避けるために
事業主側があらかじめ広告やホームページでその特約を記載する場合には、特定商取引に関する法律施行規則第9 条及び第16条の2において定められている条件の2つを満たさなければなりません。
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- ①顧客にとって見やすい箇所で明瞭に判読できるように表示する
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- ②顧客にとつて容易に認識することができるよう表示する
さらにこの表示方法にも何をどのようにどのタイミングで、どういった形式で、どのような内容で等細かく定められていますから、事業主側の勝手な憶測や判断で行ってはいけません。いくら特約を記載していたとしても、明確に定められた表示方法を怠ったたり、消費者が認識できないという場合は特約が無効となってしまう場合がありますので特に気をつけたいポイントです。
今一度、広告やホームページなどに表示している内容について見直してみるのも損ではありません。

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

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