- 2017.2.27
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この点については、内閣府令が詳しく定めています。
具体的には、事業者が返金した金額が、返金の申出をしたお客さんが購入した商品・サービスの価格よりも多い場合は、返金の申出をしたお客さんの購入額が課徴金から減額されます。
また、事業者が返金した金額が、返金の対象となり、返金の申出をしたお客さんが購入した商品・サービスの価格以下である場合には、事業者が返金した金額が課徴金から減額されます(施行規則第16条第1項)。
具体的な例で説明しますと、中古車販売業者が、中古車のメーターを3万km分巻き戻して販売していたとします。問題となる期間は1年で、メーターを巻き戻して販売した車の代金は5億円だったとします。
そうすると、課徴金の金額は、5億円の3パーセントで1500万円になります。その後、この事業者は、適切な手続きをとって、お客さんに返金をしました。返金を申し出たお客さんが5人で、この5人に販売した車の合計額は1000万円だったとします。事業者は、これらのお客さんに対し、合計1100万円を返金したとしましょう。すると、事業者が返金した金額が返金の申出をしたお客さんが購入した商品の価格よりも多くなりますから、この場合は、返金の申出をしたお客さんの購入額である1000万円が課徴金から減額されることになり、事業者が払わなければならない課徴金は500万円になります。
また、返金を申し出たお客さんが5人で、この5人に販売した車の合計額は1000万円だったとして、事業者が返金した金額が200万円にとどまったとします。この場合には、事業者が返金した金額が、返金の申出をしたお客さんが購入した商品の価格よりも少なくなりますから、少ない金額の200万円が課徴金から減額されることになり、事業者が払わなければならない課徴金は1300万円になります。
このように、課徴金から減額できる金額の上限が決められているのは、返金の申出をしたお客さんに過大な返金を行い、その全額を課徴金から減額することを許してしまうと、被害回復を促すという課徴金減額制度の趣旨が実現できなくなってしまうからです。

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

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