労務に関するQ&A

アルバイトを雇う前に。知っておくべき雇用ルール【契約面】

2016.2.22
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雇用における法律などは、企業内における人事や法務など専門的知識を持ち合わせた人でない限り、あまり知らないというのが現状です。特にアルバイトやパートタイム従業員を雇用する際、多くは安易に考えがちです。
そこで今回は、時給や労働時間などの物理的なことが決まり、募集をかけて実際に採用するとなった時、従業員が働く前にすべきことを労働基準法に基づいてご紹介します。

社会保険または雇用保険の加入

採用したアルバイトが事前にどんな保険に入っていようがいまいが関わらず、企業側は以下で適用する条件に沿ってそれぞれの保険に加入する義務があります。

【労災保険】

雇っている人数、期間や労働時間に関係なく、1日だけの短期アルバイトも含めてすべての従業員が対象の保険です。労災保険は万一の労働災害や通勤災害の時に従業員を守るものであることはもちろん、わずかな保険料で事業主に代わって補償・給付を行う制度ですから忘れずに加入しましょう。

【社会保険(健康保険と厚生年金)】

従業員が5名以内の個人事業を除き、原則としてすべての事業所が社会保険の適用事業所です。アルバイトまたはパートタイマー従業員が社会保険加入対象になる場合は、適用事業所で一般従業員の所定労働時間・所定労働日数の概ね4分の3以上である場合です。

【雇用保険】

1週間の所定労働時間が20時間以上であり、1年以上引き続き雇用されると見込まれる従業員はアルバイトまたはパートタイマーであっても雇用保険の対象となります。

雇用した際保険に加入するとその額の半分は会社側が負担することになり、支払っている給料以上に出費がかさむことから、おろそかにする企業が少なくありません。ですがそれは違法行為となってしまいますので、どこに適しているか確認し今からでもスムーズな手続きを行いましょう。

雇用契約書を交わす

保険等の手続きも重要ですが、実際に働く前には、働く条件等を記載した雇用契約書を従業員と結ぶ必要があります。
アルバイトなのか正社員なのか、雇用形態により契約書等で記載及び合意する事項が異なりますので注意が必要ですが、共通していることは雇用契約書や労働条件通知書などの書面で従業員に通知することが義務づけられていることです。

雇用契約書や労働条件通知書には

  • 労働契約の期間
  • 仕事をする場所、仕事の内容
  • 勤務時間、残業の有無、休憩時間、休日・休暇、交替制勤務の場合のローテーション
  • 賃金の決定、計算と支払の方法、締切と支払時期
  • 退職に関すること、解雇事由

が記載されている必要があります。

上記に加え、労働基準法第15条、施行規則第5条第2項の「すべての社員(アルバイトも含む)に明示しなければならない労働条件」とパートタイム労働法第6条、平成15年厚生労働省告示第357号の「パートタイマーやアルバイトには必ず明示しなければならない労働条件」で定められた事項も加味して記載する必要があります。

解雇に関して

解雇に関してのトラブルは後を絶ちません。雇用したなら解雇もあるのは当然のように思いますが日本国において労働基準法が厳格と言われる所以は解雇条件にあるでしょう。解雇と言う言葉自体あまりプラスのイメージが湧きにくく遠慮がちになってしまいます。

アルバイトやパートタイムであっても解雇条件は正社員と同等の条件が適用します。

法律により解雇が禁止されている場合(労働基準法第19条他)では、

  • 業務上の傷病により休業している期間と、その後30日間の解雇
  • 産前産後の休業をしている期間と、その後30日間の解雇
  • 女性であること、あるいは女性が結婚、妊娠、出産、産前産後の休業をしたという理由による解雇
  • 国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇
  • 労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇など

が禁止されています。
尚、原則として解雇する場合は30日前に社員に対して予告しなければなりません。予告をしない場合は、平均賃金30日分の解雇予告手当を支払わなければなりません。

後に大きなトラブルにもならないよう事前に確認し、従業員に提示する必要があります。
今回は一部の労働基準法を述べましたが、なかなか簡単にはいかないようなルールばかりではないでしょうか。世の中にはたくさんの優良企業がありますので、そのような事例を持ち合わせた弁護士などの専門家による指導またはアドバイスを得て、1つ1つクリアしていくことが確実な道かもしれませんね。

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