新着に関するQ&A

【令和6年3月】痩身効果をうたう食品の販売業者(ティーライフ株式会社)に対する課徴金納付命令について解説

2024.3.8
このエントリーをはてなブックマークに追加

令和6年3月6日、ティーライフ株式会社に対し、同社が供給する「メタボメ茶」と称する食品に係る表示に関し課徴金納付命令が発出されました。

(消費者庁「ティーライフ株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令についてhttps://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms215_240306_01.pdf

 

 

今回、問題なったのは、ティーライフ社の「メタボメ茶」と称するポット用ティーバッグ30個入りの食品に関する広告です。 

 

 

同社は、通信販売で販売する商品に同梱して配布した冊子内の上記商品の広告において、「中年太り解決読本」「もう一度、あの頃のスリムな私に!」「漫画でわかる! 日本一※売れている中年太りサポート茶とは!?」「2年半で -43kg!! その方法を公開中!」等と表示していたところ、それらの表示が、上記商品を摂取することで著しい痩身効果を得られるように表示していたものと評価されました。 

 

 

課徴金納付命令について 

商品の品質等について、実際のものより著しく優良であると表示する行為(優良誤認表示)は、景品表示法上、不当表示として規制されており、これに違反すると、当該表示の対象となった商品の売上額の3%に相当する額を課徴金として納付することが命じられます。課徴金納付命令が発出されるまでには、まず措置命令が出され、改めて弁明の機会が付与されたうえで、課徴金納付命令が発出されます。ティーライフ社についても令和3年3月23日に措置命令を受けていました。 

 

 

消費者庁が課徴金納付命令を発出するまでには、優良誤認表示であるかの判断のため、合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。本件でも消費者庁はティーライフ社に対し、かかる資料の提出を求めていましたが、同社から提出された資料は、合理的な根拠を示すものとは認められないとの評価を受けました。 

 

相当の注意を怠ったものではないと認められるとき

優良誤認表示をした場合であっても、そのことを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠った者でないと認められるときは課徴金納付を命じることはできません。 

 

 

本件では上記商品について、表示の裏付けとなる根拠を十分に確認していなかったとして、課徴金の納付が命じられています。 

 

 

「相当の注意を怠った者でない」かの判断に関しては、消費者庁のガイドライン(「不当景品類及び不当表示防止法第8条 (課徴金納付命令の基本的要件)に関する考え方」)上、当該事業者の業態や規模、課徴金対象行為に係る商品・役務の内容、表示内容及び課徴金対象行為の態様等を勘案するとされており、必要かつ適切な範囲で、「「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」(平成 26 年内閣府告示第 276号)に沿うような具体的な措置を講じていた場合、「相当の注意を怠った者でない」と認められると考えられる旨が示されており、参考となります。 

 

 

 打消し表示について

本件でティーライフ社は、上記広告の中で「※このストーリーはフィクションで す。」「※適度な運動と食事制限を取り入れた 結果であり実感されない方もいらっしゃいます。」「※個人の感想であり実感されない方もいらっしゃいます。」等、痩身効果を否定するような表示をしていました。このような表示を「打消し表示」といいますが、消費者庁は、打消し表示の存在をほとんど評価しません。 

 

 

本件でも、上記のような打消し表示は、消費者が問題となった広告表示から受ける上記商品の痩身効果に関する認識を打ち消すものではないと判断しました。 

 

最後に

消費者庁報道資料より https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms215_240306_02.pdf

昨今WEB広告に重きをおいている事業者様が多いと考えられますが、本件で指摘を受けたような商品送付の際の同梱物も広告に該当します。広告表示のリスク管理のため広告審査を法律事務所に依頼している事業者様が増えてきていると思いますが、WEB広告以外の紙媒体の広告表示についても、法令に違反した表示となっていないかの事前検討、確認が必要といえます。 

 

 

課徴金納付命令を受ければ、指摘を受けた商品売上の3%を納付する必要があり、事業者に高額の負担を生じる結果となり得ます(本件では、1771万円の納付が命じられています)。 

 

 

商品売上を伸ばすために攻めた広告表示をすることにはこのようなリスクを伴いますので広告表示のコンプライアンス意識を高め、弁護士のアドバイスを得るといった対応をすることが安心です。 

 

 

 

The following two tabs change content below.

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

美容広告専門チームは、美容業界と広告に精通した弁護士集団として、高い専門性を持ち、多くの企業の顧問弁護士を務めている。美容や広告に関するセミナーでの講演依頼を多数受け、新聞をはじめとしたメディアからも数多くの取材を受ける。

新着に関する最新記事

【令和6年6月】医療法人社団祐真会に対する景品表示法に基づく措置命令
【令和6年4月】特商法12条(誇大広告)違反の事例
【令和6年4月】エステー株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について弁護士が解説
【令和6年4月】特定商取引法違反の通信販売業者 株式会社オルリンクス製薬に対する業務停止命令等の発令について 
【令和6年3月】東京都から株式会社ヘルスアップ、株式会社ニコリオに対して景品表示法に基づく措置命令が出されたことについて弁護士が解説
pageTop