販売・広告に関するQ&A

サブスクリプション契約と特商法

2021.7.14
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インターネット上で、「サブスク」という言葉を聞くようになって久しくなりました。今では、Amazonプライム、Sportify、Hulu、トヨタのKINTO 等大手のサービスだけでなく、様々な種類のサブスクがあります。

実はサブスクも通信販売という区分に入り、「特商法」という法律の規制を受けることになりますので注意が必要です。

「サブスク」とは

「サブスク」とは、英語のsubscriptionに由来する言葉です。辞書を引くと、「予約購読」という日本語訳が出てきます。伝統的には、雑誌の年間購読がこれに該当します。
これに対して、最近の「サブスク」といえば、インターネット上のサービスに対して、一定期間の利用料金として定額を支払う契約が主流になりつつあります。月額一定料金を支払うことにより、音楽をストリーミングで聞くことのできるSportifyの登場により、サブスクのイメージが広がったのではないでしょうか。
サブスクリプション・サービスのビジネスモデルは盛んに議論されています。けれども、現時点(2021年3月31日)では、法律において、近年のサブスクリプション契約を定義したものは見当たりません。ここで注意が必要なのは、「サブスクリプション契約」「サブスク契約」とうたいつつ、その内容は、これまでの定期購入契約(販売業者が購入者に対して商品を定期的に継続して引き渡し、購入者がこれに対する代金の支払をすることとなる契約)に他ならないケースがあります。

サブスクで注意すべき点

インターネットで定期購入契約型のサブスクを行う場合は、特商法の通信販売の規制に注意が必要です。なかでも、事業者は、「(消費者が)商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件」を広告表示する義務があります(特商法11条5号、同施行規則8条7号)。
さらに、購入者から解約の申入れがない限り契約が継続される、期間の定めのない定期購入契約になると、上記の広告表示事項のうちの「金額」は、「まとまった単位での購入価格を目安として表示する等して、当該契約の基づく商品の引渡しや代金の支払いが1回限りでないことを消費者が容易に認識できることが望ましい。」と説明されています(消費者庁取引対策課他編『特定商取引に関する法律の解説(平成28年版)』126-127頁(商事法務)2018年)。
イメージとしては、例えば、月額980円(初年度年額10,780円、次年度以降年額11,760円)ということのようです。また、「契約期間」については、当該契約が消費者から解約通知がない限り契約が継続する無期限の契約である旨を示す必要があるとされています(同127頁)。
サブスクのウェブサイトにおいて、月額料金の記載はあっても、半年分や1年分といった、まとまった単位の金額表示はあまり見かけません。というのも、「いつでも解約可」という契約が多く、その趣旨が「2回以上継続して締結する必要」はないということならば、そもそも上記の広告表示義務の適用がありません。
インターネット上での定期購入契約については、特商法上その他にも留意が必要な点があります。個別のサブスク契約の法的問題点については、別途、ご相談ください。

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弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

美容広告専門チームは、美容業界と広告に精通した弁護士集団として、高い専門性を持ち、多くの企業の顧問弁護士を務めている。美容や広告に関するセミナーでの講演依頼を多数受け、新聞をはじめとしたメディアからも数多くの取材を受ける。

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