- 2021.7.14
-
- ツイート
化粧品等の広告を作成するにあたって、ぐんぐんと肌の奥深くまで成分が浸透することを示して、化粧品等の効果が実によく発揮されるというイメージを消費者に印象付けたいということは多いと思います。
しかしながら、肌への浸透に関する表現については、必ずしも無制限に表現できるものではありませんので、その点に注意しなければなりません。
1 化粧品における浸透表現について
(1)まず、化粧品については、化粧品等の適正広告ガイドラインにおいて、浸透といった表現は、化粧品の効能効果が確実に発生するかのような暗示や効能効果の範囲を超える効果を暗示するおそれがあるため、原則として記載しないこととされています。
例外的に認められているのは、化粧品の作用する範囲が角質層までであることが明記され、かつ、効能効果を保証したり、効能効果の範囲を逸脱したりするものではない場合です。
上記はあくまでガイドラインによる規制であり、違反したからといって直ちに薬機法違反になるものではありませんが、浸透等の表現によって肌の深部への影響を暗示すれば、やはり薬機法上違反となるおそれがあります。
(2)では、具体的にどういった表現であればリスクが小さいかというと、例えば、「角質層まで浸透する」「肌に浸透※※角質層まで」といった表現であれば、作用部分が角質層に限定されていることが明らかであり、効能効果の範囲を超えないものと考えられます。
「※角質層」と注記をしておけば、リスクがないのだと思われるかもしれませんが、そうではありません。
たとえば、「肌の奥深く※※角質層」といった表現については、角質層に限らず、真皮部分等も含め、肌の奥深くに作用する効果を暗示してしまい、医薬品的効能効果を暗示するおそれがあります。このように医薬品的効能効果を暗示することとなれば、ガイドラインとの関係だけでなく、薬機法違反となるリスクが出て来ます。
(3)また、見落としがちなのが、アニメーションによる浸透表現です。
たとえば、化粧品の成分が浸透していく様子を皮膚のアニメーションと成分を表す矢印等で示すものです。
これは浸透表現以外にも言えることですが、広告表現は個々の文章表現だけでなく広告全体の印象から法令違反の内容を暗示することも認められませんので、当然アニメーション部分で化粧品の効能効果の範囲を超えた効果を暗示してはいけません。
したがって、そういったアニメーションの場合にも、作用範囲が角質層部分までであることを明示するのが望ましいと言えます。
2 医薬部外品における肌への浸透表現について
一方で、医薬部外品の場合、事実に基づき承認を得た効能効果の範囲であれば、肌の真皮への作用を訴求することができます。
医薬部外品の場合、有効成分の作用機序について承認を得ており、その範囲で広告をすることが認められているので、承認を受けた際に真皮への作用があることが作用機序として認められている場合には、当該真皮部分への作用にも言及することができます。
もっとも、これは有効成分についての話であるため、有効成分以外の成分については、同様には考えられないことに注意が必要です。
広告表現にお悩みの方は薬機法に詳しい丸の内ソレイユ法律事務所の弁護士にご相談ください
丸の内ソレイユ法律事務所は、2016年、弁護士業界ではいち早く美容健康分野に対するリーガルサービス提供を開始し、現在では健康博覧会、ビューティーワールド ジャパン、ダイエット&ビューティーフェアでの薬機法セミナー講師を務めるなど、美容健康業界に対する広告適正化に向けての啓蒙活動も行っている法律事務所でございます。
これでは何も訴求できない、どんな風に書けばいいのかわからないーそのようにお悩みの方、企業の販促・プロモーション・広告担当の方、弊所は法律に則った訴求表現のアドバイスもさせていただくことが可能ですのでぜひ一度ご相談ください。
広告は文章だけでなく、広告全体から判断されます。
浸透表現以外にも、肌質の改善を謳ったり、若返りを暗示する表現だったりと、身体に影響を及ぼす表現は薬機法違反の対象となりますので注意が必要です。
弊所では美容広告に詳しい弁護士が多数在籍しており、皆様のご不安に寄り添うことができます。
丸の内ソレイユ法律事務所の広告審査は、スポットでA4 1枚/11,000円からご依頼頂けます。(1枚単価がお安くなる顧問プランもございます)
全て弁護士がチェックしており、グレーな部分は行政へ確認を取ってからレポートをお戻ししております。
ネットで調べても何が正しいか分からない!自社内で審査すると時間がかかる!と広告表現についてお悩みのお客様は、是非一度弊所をご活用いただければ幸いです。
>>お問い合わせ・お見積りはこちらから(初回相談30分無料・広告データも送信できます)
【無料】広告審査NG事例集配信中!

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム

最新記事 by 弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 美容広告専門チーム (全て見る)
- 「エイジングケア」という言葉は広告に使えるか?(令和5年3月最新版) - 2023年3月28日
- 薬機法において、医療機器の製造・販売・輸入で注意すべき点は?弁護士が解説 - 2022年1月31日
- 美顔器の広告は薬機法で規制される?使用可能な表現とは - 2022年1月28日