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最近話題のCBDって?~今更聞けない話題の成分を弁護士が解説~

2022.11.4
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最近よく、美容、健康に関する製品で、CBD(カンナビジオール)が配合された製品を目にしたり、耳にしたりすることはありませんか?今回はこの、CBDについてお話をしたいと思います。中学高校と化学式に苦労し、「もうこの絵は見たくない」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、お付き合いください。

 

CBDの効能効果と使用方法について

CBDとは次の化学式で表される大麻草などに含まれる成分のひとつで、抗不安、抗てんかん、神経保護、血管弛緩、抗けいれん、抗虚血、抗ガン、制吐、抗菌、抗糖尿、抗炎症、骨の成長促進等主に鎮静化作用を有するということで近年注目を集めている成分です。

 

 

このように多様な効能効果を有するCBDは、健康食品として販売されていることが多く、一方で皮膚に塗っても効果があるとして、化粧品としても販売されることもあり、日本における市場も拡大傾向にあります。

 

CBDとTHC

CBDとセットで必ずと言っても良い程耳にすることがあるのは、THC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)です。CBDとこのTHCは切っても切り離せない関係にあります。

 

THCは上の化学式で表されますが、CBDと同様に大麻草などに含まれる成分のひとつです。しかし、THCは正に大麻(マリファナ)の主成分で、精神作用と言われる中枢神経への影響が大きく、常習性も高いため、CBDとは異なりTHCが含まれる製品は大麻取締法等の法律で厳しく規制がされています。

また、CBDとTHCは同じ大麻草から抽出されますが、CBDは大麻草の種子等から抽出されるのに対し、THCは種子以外の花や葉、根等から抽出されます。そして、CBDが抽出される種子等に関しては日本の法律では規制の対象とされていません。

大麻草の種子の有名な使用例として挙げるとすれば、七味に含まれている麻の実が大麻草の種子に該当します。一方でTHCが抽出される部位は法律で規制の対象となっています。このようにTHCはその成分のみならず、原料までが規制されているのです。他方でCBDにはそのような精神作用はないため、規制の対象とはなっていないのです。

しかし、同じ大麻草から抽出されるTHCはCBD製品に混入することもあり、THCが混入したCBD製品は規制の対象になってしまうため、THCとCBDは切り離せない関係にあるのです。

 

CBDと輸入ビジネス

上記のとおり、CBDは大麻草から抽出される成分ですが、日本国内で栽培された大麻草から成分を抽出し、販売されている製品はありません。日本において、大麻草を栽培することについては、許可が必要となりますので、原料である大麻草から栽培して、CBDを抽出するというのは、今はまだ日本では行われていないのが現状です。

そのため、CBDの原料やCBD自体の入手は海外から輸入するのが主流となっていますが、輸入をする際にもTHCが問題となってきます。

 

すなわち、THCは上述したとおり、大麻取締法の範疇で規制される成分に該当します。そのため、CBD製品を輸入した際には、税関でTHCが含有されているか成分検査が行われることになります。CBD製品は、製法に応じて大きくアイソレイト、ブロードスペクトラム、フルスペクトラムと分類されていますが、アイソレイトとブロードスペクトラムは基本的にTHCフリー、フルスペクトラムはTHCを含有していることが前提となり、日本の法律と抵触するため、輸入は認められていません。

また、商品としては上記のように分類され、THCフリーを謳っていたとしても、現在輸入時には検査をされるため、THCが含有されるということになれば、その輸入しようとしているCBD製品は輸入できなくなることもあります。

 

さらに言えば、仮にTHCの含有検査の結果THCが含有されている、または、検査行われず輸入をできたとしても、後からTHCを含有しているということが発覚した場合、大麻取締法に反するとして、重い処罰を受ける可能性もありますので、十分な注意が必要となります。

 

現在でも、厚生局においてはCBD製品を輸入する際、事前に書類一式の提出を求める等事前の対策が行われたり、上記のように輸入時の検査等が課されたりする等してTHCの取り締まりを厳しくしています。

 

CBDと今後の規制

海外においてはCBDの有効性・有用性から、マーケットが急速に拡大する傾向しており、それと共に様々な商品が展開されているため、日本においても輸入をして、販売をし易い環境が醸成されつつあるという背景があります。

他方で上述してきたとおり、CBDにはTHCという規制対象となっている成分が含有されるリスクが伴います。

 

そのため、今後CBDにはより厳しい規制が敷かれる可能性があります。大麻取締法等改正にむけた検討会では必ずCBDの状況が触れられており、その有用性と共にTHCとの関係は常に議題に挙がっている状況です。

また、CBDの多様な効能効果から、海外では医薬品として用いられている例も少なくありません。日本においても、それだけの効能効果を有する成分である以上、医薬品として扱うべきだという意見も少なくありません。仮にもしCBDが医薬品として認定されるとすれば、現在健康食品や化粧品として扱われている商品が、医薬品の許認可なしでは扱えなくなることとなり、このような観点からも、引き続き規制の動向を注視していく必要があります。
 

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