整体院・カイロプラクティックを巡る諸問題

景品表示法違反による措置命令

2016年6月、小顔矯正をうたったサービスを提供していた会社等に対し、景品表示法に基づく措置命令が出されました。例えば、ある整体院では、「当院では23個の骨から形成されている顔の骨と頭蓋骨を特殊な技法で無痛にて施術することにより、頭蓋骨の調整だけでなくリンパや脳脊髄液の循環を正常化させていきます。」などとして、施術を受ければ、顔が小さくなるとの広告をしていましたが、これが問題視されたわけです。

あはき法

話は変りますが、皆さんは、「あはき法」という法律を聞いたことがありますか?正式には、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」というのですが、この法律の第1条には、「医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。」とされています。
そして、あん摩とは、「人体についての病的状態の除去又は疲労の回復という生理的効果の実現を目的として行なわれ、かつ、その効果を生ずることが可能な、もむ、おす、たたく、摩擦するなどの行為の総称である。」(昭和三八年一月九日 医発第八号)とされており、免許なくこのような行為を行うと処罰されることとなります。

整体院、カイロプラクティックとあはき法

整体院やカイロプラクティックなどは、このあん摩にあたらないのでしょうか?
この点、判例は、「医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するのは、かかる業務行為が人の健康に害を及ぼす虞があるからである。それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを 禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならない」(最判昭和35年1月27日)としており、免許なく行うことが禁止されている「あん摩」は、健康に害を及ぼすおそれのある行為に限るとしています。
例えば、国民生活センターが公表している以下のような事例については、「あん摩」に辺り、あはき法違反になる可能性が高いでしょう。

【事例】 指圧・マッサージ店で全身の指圧マッサージを受けたところ肋軟骨(ろくなんこつ)を骨折した

全身の指圧マッサージを1時間半受けた。終了直前にブキッと音がして息をつけない痛みを感じたが、1~2分で通常に戻ったので激痛があったことを言わず帰宅した。その夜発熱し痛みが出たため整形外科を受診したら肋軟骨骨折で加療に1カ月を要すると診断された。

【事例】 遺伝性狭窄(きょうさく)症である旨を伝えてマッサージを受け、症状が悪化した

遺伝性狭窄症で腰痛に悩んでいた。腰痛不眠症改善という情報誌を見てマッサージを受けた。背骨の曲がったところを強く押され、腰や脚に激しい痛みと痺(しび)れ、引き攣(つ)れが起こった。脊椎専門の病院で治療を受けたところ、以前の状態に治るまでに3カ月程かかると言われた。
免許なく行うマッサージ等は、その強度、対象となる症状等について、限界があるわけです。
この点、厚生労働省は、「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日医事第58号 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1a.html)において、禁忌対象疾患(椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症等)に対してマッサージを提供することが適当でなく、また一部の危険な手技についてもこれを禁止するのが妥当であるとの考えを示しています。
すこし難しくなってしまいましたが、結局、高強度のマッサージや、椎間板ヘルニア等を患っている方へのマッサージを免許なく行うことは禁止されているわけです。

整体院、カイロプラクティックと広告

このように、整体院等で提供できるサービスには限度があるわけですから、例えば、「椎間板ヘルニアの痛みを改善」などという広告をしていると、あはき法に違反しているかもしれないことを自ら宣伝しているようなものです。
また、これは整体院、カイロプラクティックに限ったことではないのですが、景品表示法に違反するような広告にも注意しなければなりません。
具体的には、今回、措置命令が出された「小顔矯正」のほか、「血流を改善し、リンパの流れを整えることでアンチエイジング効果があります。」、「むくみが改善され、太ももが引き締まります」、「揉みほぐしによる痩身が期待できます」などという効果についても、景品表示法上は、問題となることが多いと思われます。
以上のように、整体院、カイロプラクティックについては、さまざまな法律が関係しており、法令順守には、十分配慮しなければなりません。

当事務所では、整体院やカイロプラクティックにおけるサービス内容や広告内容のチェックを行っておりますので、遠慮なくご相談ください。

事業主なら知っておきたい!個人情報の取扱い方法

そもそも個人情報とは

個人情報とは、個人に対する情報のことで生存している個人であること、特定の個人を識別することができる情報です。
会社の住所や取引内容といった法人情報は、個人情報ではありません。
個人情報は、「氏名、生年月日により」「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することとなるものを含む」としています。
例えば、メールアドレスだけは個人情報としては扱われません。ただし、そのメールアドレスに名前が入っていたり、メールアドレスと一緒に会社名と名前が一緒に記載してある場合は個人情報になります。つまり、情報単体ではなく誰かを特定できる情報が個人情報となります。

5,000人以上の個人情報を保有している場合

一企業が個人情報を5,000人以上所有している場合は、個人情報取扱事業者となり、個人情報保護法という法律の規制対処になります。
例えばエステ店をチェーン展開している場合、1店舗あたり個人情報の数が5,000人以下でもあっても、そのエステ店チェーンを運営している会社や企業が1つであれば、その会社または企業が持っている個人情報となりますので個人情報保護法の対象です。注意しましょう。

5,000人の個人情報の定義とは

ではそもそも5,000人以上の個人情報を所有している場合の定義とはどのような場合でしょうか。それは、個人情報を体系的に管理または整理されている状態であれば個人情報を保有している。となります。
体系的とは、その会社や企業が持つデータベースやプラットフォーム上に保存され管理されていることです。
逆に個人情報として5,000人にカウントされない場合は「個人情報数の合計が過去六月以内のいずれの日においても五千を超えない者とする。」と定めれている通り、6ヶ月以内に削除するデータは「一過性の利用」のため個人情報保護の対象にはなりません。

個人情報保護法の規制対象になると、その管理方法や目的などについて国から様々な義務が課せられます。
事業を始めて軌道にのってきたなどして5,000人に到達しそうな場合は
その義務をスムーズに行うために事前に知っておいた方がよいでしょう。

ネズミ講、マルチ商法、ネットワークビジネスの違いとは?

ネズミ講、マルチ商法、ネットワークビジネスの仕組みと法律について

【ネズミ講】とは?

ネズミ講と呼ばれる所以になったねずみは「ある期間に、ネズミがどれだけ増えるか」ということを計算するねずみ算から来ています。
ネズミ講は造語で、法律的には無限連鎖講のことを指しています。

無限連鎖講とは、金品を払う参加者が無限に増加するという前提において、二人以上の倍率で増加する下位会員から徴収した金品を、上位会員に分配することで、その上位会員が自らが払った金品を上回る配当を受けることを目的とした団体のことである。
引用元Wikipedia

説明の通り、特定の商品を販売しているわけではなく会員を集めて金銭のやりとりをする行為です。
ですので、化粧品やサプリメントといった会社や商品だけではありません。
他との違いは特定の商品や商材をもたないことです。

無限連鎖講は特定商取引法で禁止されています。

※無限連鎖講の防止に関する法律

第5条:無限連鎖を開設し、または運営したものは3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する。
第6条:業として無限連鎖講に加入する事を勧誘した者は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処す。
第7条:無限連鎖講に加入する事を勧誘したものは、20万円以下の罰金に処す。

いわゆるネズミ講は、違法となります。

【マルチ商法】

Multi-Level Marketing (マルチ・レベル・マーケティング)という商形態のことです。1970年代にアメリカから日本にこの手法が上陸しマルチ商法という名称で広まりました。マルチ商法の商形態は特定商取引法において連鎖販売取引に分類されており、ネズミ講のように法律で禁止されてはいません。ただ、組織の拡大方法で類似点が多いことからネズミ講と一緒にされてしまう傾向もあります。ただし、大きく違う点は特定の商品を持っていることです。

特定商取引法における連鎖販売取引とは、

  • 物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
  • 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
  • 特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
  • 特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの

としています。

よって、化粧品やサプリメント以外の業態でも代理店や問屋としてこのような商形態をとっていることが多いのも事実です。

【ネットワークビジネス】とは?

ネットワークビジネスは、上記2つとは別のものだと勘違いされやすいですが、日本で「ネットワークビジネス」と呼ばれているだけで、上記マルチ商法であるMulti-Level Marketing (マルチ・レベル・マーケティング)のことを指しています。

つまり、ネットワークビジネス=マルチレベルマーケティング(MLM)は、マルチ商法と同じ販売形態のことを指しており、日本ではマルチ商法と同じ連鎖販売取引として分類されており違法ではありません。

ネズミ講は法律上禁止されていますが、他は合法でありいわゆる商形態のことを指しているわけですが、日本においてはこれらが悪として捉えられているようです。
それは、化粧品やサプリメントの会社などが比較的誰でも販売できるとして広まった際に、勧誘や悪質な業者が多発し、イメージが崩れてしまっているようにも思います。

マルチ商法やネットワークビジネスは合法とはいえ、連鎖販売取引の規制を守ることが必要とされています。
これらの商形態を取り入れたいという場合は、一度専門家に相談してみるのもいいのではないでしょうか。

美容業における、資格と法律・営業可能範囲について

まつげエクステは美容師免許が必要

美容に携わる者であれば広く認知されたことではなりますが、今一度おさらいしてみたいと思います。
これまで何度も厚生労働省はまつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について通達しています。
美容師法第2条第1項の規定においても、「いわゆるまつ毛エクステンションについては、まつ毛に係る施術を美容行為 と位置付けた上で適正な実施の確保を図ることとしていること」と定めている通り、いわゆるエクステンションの提供は美容師法にいう美容に該当するとされていることから、美容師免許がないと提供してはいけません。ただ、美容師免許があるからと言って開業できるわけではなく、美容師免許が必要になった背景として、まつ毛エクステには消費者トラブルが後を絶たないことを頭に入れた上、サービスの提供にはそれなりの知識が必要になります。
美容師法に抵触した場合の罰則は、美容師法違反で50万以下の罰金に処せられることもありますので徹底しておきたいところです。

アートメイクは医療行為

「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」いわゆるアートメイクは、医師免許を持たないものが行った場合、医師法第17条に違反になります。
これまで日本では、アートメイクと同じ行為である「刺青」が流行ったことから、無資格のものが提供しはじめよってアートメイクも資格がいらないものだと認識されてしまいがちでした。
ですが、アートメイクは

針で皮膚を刺すことにより、皮膚組織に損傷を与えて出血させるだけでなく医学的知識が十分でない者がする場合には、化膿菌、ウイルス等に感染して肝炎等の疾病に罹患する危険がある。

と、有識者の見解で述べられているように、十分な知識を持った医師でなければ行為を行ってはならないと定めています。
医師法に違反すると、罰則としては3年以下の懲役若しくは百万円以下になります。

歯のホワイトニングは歯科医師免許?

これまで歯のホワイトニング行為は、歯科医院で主に提供されてきた医療行為でしたが、類似のサービスとしてエステ分野でも提供されるようになってきました。これについては賛否両論の意見が騒がれる中で、実際のサービス内容には明確な差があるようです。

例として、2013年11月13日に東京・市ヶ谷の歯科医師会館大会議室で開催された都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会においては、以下のような意見が出されています。

「誰が施術する場合でも、認められるのは使用するホワイトニング剤が医薬部外品で、照射ライトが医療機器ではないことが前提。医薬品や医療機器を使用するのであれば無資格者が行うことはできず、医師法・歯科医師法だけでなく薬事法違反にも問われることになる。」

口の中に触れる行為や、ブラッシング指導、ホワイトニング指導といった行為は全て医療行為にあたり、国家資格を持つ歯科医師・歯科衛生士でないとできません。ですが、逆をかえせばそれらの医療行為をせずに治療までもしない、エステ分野におけるホワイトニングのようなサービスは、使用する成分や提供するものの介入する範囲や内容に明確な差があるようです。

無資格での営業は誰でも分かる通り、法律違反です。透明な営業を心がけるよう気をつけましょう。

閉店や事業譲渡の際に知っておきたい個人情報の取扱い方法

閉店する場合と事業譲渡では処理方法が異なる

閉店の場合はシンプル

これまで保有していた個人情報は適切に破棄する必要があります。適切に破棄とはどういうことかと言うと、シュレッダーで抹消するなどです。また、個人情報を破棄してくれる専門会社もありますのでそういった所に依頼するのも確実な方法です。

事業譲渡する場合は少し複雑

事業を譲渡先の新しい運営会社から、個人情報を引き継ぎたいとの申し入れがあった場合そのまま受け渡してはいけません。
すべきこととしては譲渡前にすべての顧客または会員から個人情報を新しい会社へ譲渡してもよいかの許可を得る必要があります。
許可を得る方法は様々ですので専門家へ相談するのがよいでしょう。

また、新しい運営会社が個人情報を引き継がない旨の申し入れがあった場合は、先に述べた閉店の際の処理と同様になります。

個人情報にまつわるトラブル

個人情報まつわるトラブルで多いのは、債務が残っている状態の顧客への返金対応と従業員が個人情報を抜き出してしまうことです。

債務が残った状態で閉店する場合は顧客に知らせた上で返金対応をせねばなりません。
但し、多くの場合は閉店になる場合、事業が上手くいかない場合だと思いますので、そういった場合は返金自体もできなくなる可能性もあると思います。
事業主がかかえている債務処理は、顧客への返金だけではないと思いますので、その際は専門家へ相談して優先順位や返金対応の時期など相談するのがよいでしょう。

従業員が辞める際、または閉店後に個人情報を抜き出していたことが分かった場合は厄介です。
個人情報というのは個人情報保護法からの観点では「目的外使用」はできません。企業と顧客との間で成立する個人情報が、別のところで使用されてしまった場合は元の会社が責任を問われることになります。

そのような流出を防ぐためにも個人情報データベースにパスワードをかける・アクセスできる社員を限定しておく・個人情報に触れる際の履歴を残しておくなど透明かつ確実な管理をしておくべきとも言えます。
その会社の体制によって管理方法などは模索できると思いますので、多くの企業を見ている専門家に相談するのもいいでしょう。

先払いチケットの消化期間の設定方法と消化期間を過ぎた場合の返金対応とは?

消化契約期間には法的定めはなし

まずコースや回数券などを設定する際、一緒に設定するのは消化期間です。
例えば3回コース・5回コースと設定する際、その回数を消化できるのは◯◯月までとか◯年以内などと設定するはずですが、ここで気になるのがその消化期間をどう設定すべきかではないでしょうか。実は期間の設定については明確な法的定めは特にありません。

ですので、コースの提供は事業主と客との間で交わされる契約の問題になります。ただし、そもそもその消化期間におおよそありえない期間を設けている場合は、民法1条2項に定められている「信義誠実の原則」略して信義則に抵触する可能性もあります。

消化期間の設定は、誰がどう判断しても合理的な範囲で設定していれば問題はありません。ですが、客をだますような期間で設定していたり、物理的に消化できない期間を設定してしまうなどすると顧客とのトラブルにもなりかねない上に、裁判になった場合、様々な法律に抵触し罰則も出てきてしまいます。
気をつけましょう。

消化期間を過ぎてから返金を求められた場合

消化期間を客と契約を開始したけれど、客側が店に来ずにそのまま消化期間を過ぎてしまった時に多いのが返金トラブルです。
客側としては回数を消化していないので、返金してほしい心理が働くのは当然です。ですが、事業主としては実は契約を交わした後は、消化期間を過ぎてからの返金対応はしなくてもよいのです。
但し、消化期間を定めていなく回数券を販売した場合に返金を求めれた場合は、厳密に言うと何年経っても要望があれば返金対応はする必要があります。また、この場合は返金というより中途解約またはクーリングオフとなりますので客側に大きく権利があります。

まとめ

チケットの消化期間やお金にまつわることは、ちょっとした認識の違いで大きなトラブルになりかねませんから、まずは客とコンセンサスをとり書面に落とすなどすることが必要です。
合理的な期間とはどのような期間なのか、書面にどう記載すべきなのかは専門家に相談などするなどして事前に対処するのがおすすめです。

消費者による口コミ投稿はどこまで自由?

食べログ訴訟から見る口コミ投稿

最近話題になったばかりの「食べログ訴訟」。口コミサイトの食べログに顧客から「出てくるのがおそい」「まずい」などと書かれた店が、その後お客さんが激減したとしてサイトを運営しているカカクコムに対して情報の削除と損害賠償を求めて札幌地裁に提訴しました。

結果は、札幌地裁はその請求を棄却。(原告が負け)

また別の案件では、写真などを無断掲載され「隠れ家」を売りにする事業戦略が妨害されたとして、大阪市内の飲食店が運営会社「カカクコム」に店舗の情報削除と330万円の損害賠償を求めた訴訟では、

大阪地裁は2月23日、その請求を棄却。(原告が負け)

いずれも口コミサイトは、あくまで客観的事実を消費者の意見として掲載しているものであり、店舗側の要求は取り入れられなかったこととなりました。

悪口は「罪」になるが口コミの線引きは難しい

どうやら口コミを明確に定義するのは、受け取る側の事情により変わるため、難しいようです。
ですが、どんな口コミでも許される。というわけではありません。
事業主の皆さんに知って頂きたいのは、その口コミの内容にお店の社会的名誉を汚すような行為、業務妨害、名誉毀損や侮辱的な内容が含まれる場合は、処罰できる可能性もあるということです。
例えば、他人の能力、徳性、身分、身体の状況などについてただ単に批判された場合の侮辱は消費者の罪になります。

ですが、口コミに書かれた内容が真実であり、公共の利益のためと判断された場合は、全く問題ないと判断されます。
今回の食べログ事例では、「料理が出てくるまで40分くらい待たされた」との書き込みにより、お店の評判は下がったわけです。

待たされたことが嘘であることの証明や、悪徳な目的による書き込みであることが証明されたわけではないため、書き込みは正当な範囲内で、カカクコム側としても削除はできないという判断に至ったのです。

口コミサイトの利用規約を確認しよう

店舗または事業主側としてはその口コミの内容は都合が悪いけれど、決して名誉や侮辱行為に該当する証明ができない場合は、まず口コミサイトのガイドラインを確認してみましょう。

実際の食べログの口コミガイドライン(一部抜粋)

お店へ悪影響を及ぼすかつ内容の確認が困難な事象についての投稿はご遠慮ください。

食べログはあくまでも個人の感想を共有するサイトです。お店へ悪影響を及ぼすかつ事実関係の確認が困難な事象の書き込みはご遠慮ください。

※食べログでは、投稿された口コミの内容が事実かどうかの確認は行っておりません。

例)

  • ここのお肉を食べると必ず腹痛になる。(NG:料理が原因でおきた症状に関する口コミ)
  • 経費削減のためエアコンをつけていない。(NG:お店の経営方針・内部事情に関して、決め付けた口コミ)
  • 化学調味料を使っている。(NG:お店の調理方法や材料に関して、決め付けた口コミ)
  • 常連になると料金をタダにしてくれることがあるそうです。(NG:一般に公開されていないサービスに関して、決め付けた口コミ)

なお、事実関係の確認が困難 (感想としての記述ではないもの)で、かつ他のユーザーやお店から「その内容は事実と異なる。」という連絡があった口コミについては、食べログ側で連絡いただいた内容を元に確認し、本項に該当すると判断した場合には、当該口コミを削除する場合がございますのでご了承ください。

以上。

ほとんどの口コミサイトでは、こういった口コミ投稿におけるガイドラインを設定しています。
もし口コミサイトに投稿された書き込みが違法性はないけれど、ガイドライン上のルールを破っているような疑いがあれば、サイト運営者に相談してみるのもいいでしょうですが、その判断さえも一般の方ではなかなか分からない部分ではあると思いますので、まず事を起こす前に専門家に相談してみるのも有効です。

インターネット通信販売の金銭トラブル。後払いにおける法律とは

後払いには「時効」があることを把握しましょう

事業者にとって後払いは、売掛金になります。その売掛金の未払いリスクは大小に関わらず痛手になるのではなりますよね。
法律的には売掛金の時効は2年です。2年以上にわたり遅延されると売掛金の権利が消滅してしまいそれ以上支払われることは愚か催促さえできなくなります。但し、2年後に時効期限が経過しても債務者側に支払う意志があれば債権は消滅せず、支払いを受けることが可能です。

そのため2年以内に何か対策をする必要があります。
では、それを回避するための手段を解説します。

後払いで購入した支払いが行われない場合

(1)まず支払いを消費者に承認させる

「支払い契約書」または「残高確認書」などを作成して、支払いを滞っている顧客(債務者)に対して郵送または直接渡すようにします。その書類に債務者が署名捺印した時点で債務を承認したことになり時効は中断されます。(時効はその捺印した日から2年後が新しい時効成立日となる)

例えばこれらの正式な書類無しで「払ってください」「○月○日までに払います」という口頭の交渉だけで行うと、売掛金の存在自体が明確にならないために法的には事業主側が不利になりますので要注意です。

(2)内容証明郵便で請求する

顧客(債務者)が自分の債務を認めない場合には、時効期間内に請求書を送付します。ただしその際には「内容証明郵便」として郵送しておくべきです。内容証明により債務者への請求書送付日が確定すれば、そこから6ヶ月間は時効が中断します。その6ヶ月以内に支払い交渉をすることになりますが、それでも支払ってもらえない場合には訴訟を起こすなどの強制策をとるなど考えましょう。

因に内容証明郵便は、一行20字以内、行数は26行以内で、必ず記載しなければいけない事項等の条件が細かく定められています。それらが守られていないと、内容証明として成立しないケースもありますので一度専門家に相談することをおすすめします。

インターネット通販での後払い決済については、請求書の発行から債務の代行などまで行ってくれるNP後払いという決済システムもあるようです。ですが今回述べた方法は、事業間の取引にも同じことがあてはまることですので頭に入れておくといいのではないでしょうか。

取引相手が支払いをしてくれない場合にはどう対処する?

まずは与信管理

与信管理は、信頼できる会社なのかを人を含めて見分けることを指します。
人やHP上でみかける雰囲気など、アナログな方法から初めてみるのもいいですし、商業謄本で会社の資本金があるか支払い能力があるかなどを調べるのもおすすめです。(商業謄本は誰でも法務局で取得することができます。)
また、不動産謄本の情報からはすでに債務がある会社ではないか所有者が違うのではないかなども調べることができます。
まずはあらゆる方法で事前に下調べしてみることをおすすめします。

それでも見抜けない場合

とは言え担当者の人は良さそうだし、会社の体力もありそう…と多くの方は悩んでいるうちにその判断基準でさえ分からなくなってしまうのが現状ではないでしょうか。悲しいかなその心理につけこんだ悪徳ビジネスも存在しています。

そのような時は、前払いで支払い能力があるか確かめるのもポイントです。
相手方が強い交渉をしてきたり、事業主の立場が弱い場合など特定のことがない限り、支払い方法を決める権利は事業主にある場合がほとんどです。初回は前払いで統一するなどそこから信頼できるのか判断する1つの方法です。

また、取引を開始する際に契約書でどれくらい支払いにまつわる条件を入れられるかもポイントです。提示した取引条件で相手が合意しないポイントがお金や支払いにまつわる場合、その時の反応や態度などが1つの与信判断基準になったりします。

取引内容が明記された契約書は事業主側が提出するのが一般的な筋です。ですので与信管理の意味も含めた契約書にする場合は、自社のサービスの特性と一般的な流れのちょうどよいところを弁護士などへ相談し模索した上で契約書を作成依頼するものおすすめです。多くの会社はそのような契約書を作成するための弁護士の費用を抑えようとインターネットで出回っているひな形を使用することがあるようですが、支払いトラブルを避けるためにも、サービスや商品、形態、取扱い上の注意や販売方法、ブランディングに至まで、商品にこだわりがあればあるほど契約書は個別で作成し、細かいところまでチェックするのが必要です。また、弁護士へ契約書作成の依頼をするメリットとしては何かの法律に抵触していないか確かめるのにも有効です。

契約通りに支払いが行われなかった時

いよいよ支払い日。振込確認を行うが確認がとれない場合、まずは早急に電話での確認してみましょう。相手がただ単に忘れている場合もありますので必要以上に問いたださず、まずは状況を確認してみましょう。その際、いつ支払い対応ができるか明確に訪ねるのもポイントです。

電話で催促をしても対応する気配がない場合は内容証明を送ることも可能です。さらにどんどん効力を強くすることも可能で、支払督促を申し立てたり、少額訴訟をすることも可能です。
ただし効力を増すごとに取引相手とは信頼の再建はできなくなる場合が多いのも事実ですのでどうすべきか弁護士に相談してみることもおすすめです。

いくら信じて待とうと思っても、電話での確認から再度約束した期日で支払いが行われない場合は、事は全て早めの対処が必要です。
なぜなら売掛金の支払いには時効があります。その時効は2年と意外に短いので時効にかかってその売掛金が消滅してしまわないように、早い段階から専門家に相談することもおすすめです。

エステティックサービスにおけるクーリングオフと中途契約の違いとは?

クーリングオフと中途解約の違い

エステティックサービスのクーリングオフ

提供するメニューの申し込みまたは契約書を法律で定められた書面に沿って交わした日から8日以内であれば、無条件に消費者による解約ができること

エステティックサービスの中途解約

クーリングオフの期間を過ぎてかつサービスを提供している途中でも無条件に消費者による解約ができること

要するにエステサロンはいかなる場合でもあっても消費者による解約を認めないといけないということになっています。
これは平成13年4月1日より施行された「消費者契約法」という法律で消費者のそもそもの意思が守られていることが大きく寄与しています。
そのため消費者との契約書にも「いかなる場合でもあっても解約はできない」とは記載ができません。

中途解約における、損害賠償について

ですがそうは言っても契約は契約ですよね。契約数をベースに商材を事前に仕入れていたり、予約枠を確保していたりなどの事前投資がある場合、エステサロンを運営している事業主側にとってはその損失は大きいのではないでしょうか。
消費者契約法や特定商取引法で消費者が守られていると言っても、エステサロンの事業主側が全く損になるということでもありません。
中途解約の場合は、律で定められている上限内で賠償金を消費者に請求することが可能です。

賠償金の金額とは

契約後消費者が、

  • サービスを利用する前:上限2万円まで
  • サービス利用後:未使用サービス料金の1割か2万円のいずれか低い金額まで

です。

さらに、そのサービスを遂行するために必要な物販などの関連商品がある場合は、それらも解約の対象となりますから注意が必要です。
※関連商品とは健康食品、化粧品、石けん(医薬品を除く)、浴用剤、下着類、美顔器、脱毛器などです。
ただし例外もあります。商品を買うか買わないかは本人が自由に決めることができる状況で販売している場合(該当するサービスを遂行することに関係のないもの)本人の意思により契約したものは関連商品ではなく推奨商品となり、クーリングオフや中途解約はできないことになっています。

解約時のトラブルを大きくしないために

消費者の理解を得てトラブルを事前に防ぎ賠償金や解約に関することなどを明確にするためにも、エステサロンなどの事業主側は法律で定められた義務を実行する必要があります。その義務とは「法律で定められた書面に沿って契約内容を記載した書面を消費者に渡す」ことです。
これがないと消費者と大きなトラブルになってしまう可能性がありますから、今一度その内容や渡すタイミングなど合っているのか否かを専門家に相談してみてもいいのではないでしょうか。